長崎県議会 > 2012-06-15 >
06月15日-02号

  • "運航費補助制度"(/)
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  1. 長崎県議会 2012-06-15
    06月15日-02号


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    平成24年  6月 定例月議会平成24年6月定例月議会                 平成24年6月15日                  議事日程                                  第10日目---------------------------------------  1 開議  2 県政一般に対する質問  3 散会平成24年6月15日(金曜日)出席議員(44名)       1番   川崎祥司君       2番   深堀 浩君       3番   友田吉泰君       5番   浜口俊幸君       6番   松本洋介君       7番   山本啓介君       8番   中島浩介君       9番   前田哲也君      10番   西川克己君      11番   堀江ひとみ君      12番   江口 健君      13番   松島 完君      14番   山田朋子君      15番   浅田眞澄美君      16番   高見 健君      18番   山口初實君      19番   久野 哲君      20番   末次精一君      21番   高比良 元君      22番   金澤秀三郎君      23番   中村和弥君      24番   外間雅広君      25番   下条ふみまさ君      26番   徳永達也君      27番   中島廣義君      28番   瀬川光之君      29番   坂本智徳君      30番   橋村松太郎君      31番   織田 長君      32番   楠 大典君      33番   高比良末男君      34番   中山 功君      35番   吉村庄二君      36番   野本三雄君      37番   山田博司君      38番   小林克敏君      39番   馬込 彰君      40番   渡辺敏勝君      41番   宮内雪夫君      42番   溝口芙美雄君      43番   田中愛国君      44番   三好徳明君      45番   八江利春君      46番   加藤寛治君---------------------欠席議員(2名)       4番   小森明人君      17番   陣内八郎君---------------------説明のため出席した者   知事         中村法道君   副知事        田中桂之助君   副知事        石塚 孝君   総務部長       池松誠二君   県民生活部長     石橋和正君   環境部長       徳永孝二君   福祉保健部長     濱本磨毅穂君   企画振興部長     永川重幸君   文化観光物産局長   坂越健一君   土木部長       村井禎美君   農林部長       上田裕司君   水産部長       荒川敏久君   産業労働部長     山田伸裕君   福祉保健部              大串祐子君   こども政策局長   危機管理監      坂谷朝男君   国体・障害者              藤原敬一君   スポーツ大会部長   会計管理者      鶴田孝廣君   交通局長       山口雄二君   教育委員会委員    野中彌三君   教育長        渡辺敏則君   選挙管理委員会委員  萩原康雄君   監査委員       葺本昭晴君   人事委員会委員    松本邦夫君   公安委員会委員    大井久美子君   警察本部長      入谷 誠君   監査事務局長     溝江宏俊君   労働委員会事務局長              辻 良子君   兼人事委員会事務局長   教育次長       中川幸久君   秘書課長       松尾明彦君   財政課長       古川敬三君   選挙管理委員会              山下和孝君   書記長---------------------   議会事務局職員出席者   局長         立石一弘君   総務課長       金原勝彦君   議事課長       高見 浩君   政務調査課長     堀部芳夫君   議事課長補佐     出田拓三君   議事課係長      天雨千代子君   議事課係長      佐藤隆幸君   議事課主任主事    大町慶吾君---------------------     -午前10時0分 開議- ○議長(宮内雪夫君) 皆さん、おはようございます。 ただいまから、本日の会議を開きます。 この際、謹んでご報告申し上げます。 三笠宮寛仁親王殿下におかれましては、6月6日、薨去され、昨日、ご葬儀が執り行われました。 ご葬儀には、私も知事とともに参列させていただきましたので、ご報告いたします。 まことに痛惜、哀悼の極みであり、心からご冥福をお祈り申し上げます。 これより、一般質問を行います。 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) (拍手)〔登壇〕皆さん、おはようございます。 全国初となる記念すべき通年議会、6月定例月議会のトップバッターとして質問します連立会派、改革21代表の渡辺敏勝です。 まずは、去る6月6日、66歳の若さでご逝去なされました寛仁親王殿下に対し、心より哀悼の誠を捧げます。 昨日執り行われました「斂葬の儀」に参列されました宮内議長、中村知事、大変ご苦労さまでした。 寛仁親王は、「ひげの殿下」として国民に親しまれ、今日まで障害者福祉やスポーツ振興の公務に積極的に取り組んでこられただけに、残念でなりません。ここに、今日までのご活躍とご功績に敬意を表しますとともに、心から寛仁親王のご冥福をお祈りいたします。 さて、具体的な質問に入る前に、中村知事に対し、苦言を呈したいと思います。 ひと月前の5月13日、自由民主党大会における中村知事の発言で、来年度の政府施策要望が遅れてしまいました。今回の政府施策要望は、県議会としても要望をまとめていただけに、県民の声が遅れてしまったことは残念でなりません。 知事は、「民主党政権を批判する気持ちはなく、真意が伝わらなかった」とのことですが、記事には、「知事が民主党批判を繰り広げた」と書かれますので、今後は、公の場での発言はくれぐれも注意して発言されますよう苦言を呈しておきたいと思います。 では、質問項目に従いまして順次質問いたしますので、中村知事をはじめ、関係理事者の明快な答弁を求めます。 1、中村知事の政治姿勢について。 (1) 県議会・県政改革への所見。 昨年4月の改選後、連立会派が結成される中、「県議会・県政改革特別委員会」を中心にして、この1年間、長崎県議会は、一つ、全国初となる通年議会の開催、二つ、常任員会の審議日数を4日間から10日間に増加。三つ、一般質問者を年間12人増加。四つ、県議会基本条例の制定。五つ、予算決算委員会の設置などの議会改革を進め、今までの行政の追認機関から、行政を厳しくチェックする二元代表制の本来の姿に改革してきました。 この改革は、議員の政策立案能力を高めるとともに、県民の負託を受けた議会が現場に出向くなど、県民の声を行政に反映することで、長崎県を活性化しようとするためのものです。 県議会のこの1年間の改革を振り返って、中村知事は、今どのように思われているのか、率直なご所見をお伺いいたします。 以上、壇上からの質問を終わり、あとの質問は、対面演壇席から質問を続行させていただきます。(拍手) ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 〔登壇〕おはようございます。 ご質問にお答えをする前に、去る6月6日、ご薨去されました寛仁親王殿下に対しまして、謹んで哀悼の意を表します。 昨日、宮内県議会議長とともに葬場の儀に参列をし、本県へのご厚情に感謝の念を込めて拝礼してまいりました。 ここに、県民の皆様とともに、謹んで哀悼の誠をささげ、安らかなご冥福を心からお祈り申し上げます。 それでは、渡辺議員のご質問にお答えいたします。 まず、「県議会・県政改革特別委員会」が進めてきた一連の改革に対する私の考え方についてのお尋ねでございます。 県政におけるさまざまな課題が山積する中、本県の発展を目指してまいりますためには、議会と理事者がお互いの権限と責任のもと、相互に尊重し合いながら真摯に議論を重ねていくことが必要であると考えております。 そうした中、昨年の「県議会・県政改革特別委員会」におけるご議論を踏まえ、このたび全国の都道府県に先駆けて本県において通年議会が導入されたところであります。 その導入の意義につきましては、臨機応変な議会審議が可能になるとともに、議員ご指摘のとおり、これまで以上に審議の充実や活性化が図られ、前例にとらわれない新たな政策形成につながる活発で建設的な議論が展開されることになることであろうと存じております。 こうした議論を通して、県民の代表である県議会の皆様方から、県民の意向を踏まえた積極的な政策提言がいただけるものと期待をいたしております。 一方また、理事者側にも各種事業の進捗に影響を及ぼすことがないよう、より効率的な対応が求められてくるものと考えております。 県議会が新たな一歩を踏み出される中、理事者側といたしましても、県民の皆様のご期待に応えることができるよう、さらなる意識改革に努め、職員一丸となって県政の推進に取り組んでまいりたいと考えております。 以後のご質問につきましては、自席の方からお答えをさせていただきます。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 今、知事の方から、県政改革に対する取組の基本的な所見が述べられました。 まさに議会と理事者と一緒になってこの長崎県を活性化していこうと。私たち議員の意識改革も必要ですが、職員の理事者の皆さんの意識改革もしながら、ともに頑張って長崎県の活性化に向けて取組を進めていきたいと思いますので、知事、ともに頑張りましょう。 (2) 東日本大震災への今後の取り組みについて。 昨年の3月11日からもう既に1年3カ月たちましたが、現場はまだまだ復興の兆しが見えておりませんけれども、今日までこの1年3カ月の間、長崎県としてどのような支援をしてきたのか。その成果はどのようなものがあったのか、具体的に示していただきたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 大震災の発生から1年3カ月が経過いたしましたけれども、これまでの間、本県におきましては、長崎大水害、あるいは雲仙・普賢岳噴火災害などの大変大きな災害の際に、全国からいただいた温かいご支援への感謝の気持ちを込めながら、関係機関と連携して、できる限りの被災地復旧・復興支援に努めてきたところであります。 福島県、宮城県、岩手県の被災地3県への職員派遣につきましては、心のケアを含む医療支援や避難所の運営支援、あるいは行政支援など、県職員で600名以上、市町職員970名以上、合わせまして1,600名に及ぶ人的支援を市町と連携協力しながら行ってまいりました。この派遣数は、九州他県平均といたしますと2倍以上の実績となっているところであります。 こうした派遣職員の活動につきましては、被災地の知事や市長からも感謝状をいただくなど、被災地の行政の手助けとなったほか、被災地域の住民の方々を少しでも勇気づけることができたのではないかと考えているところであります。 改めて関係皆様方のご協力に対して、心からお礼を申し上げる次第であります。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 九州平均の2倍以上で、本当に長崎県として今までの雲仙・普賢岳、あるいは長崎大水害、そういったことのお礼が全国の皆さんに示されたということでございますので、敬意を表したいと思います。 それで、被災地が今から必要としているのは、下水道とか、道路とか、建設に当たる土木職員、こういう人材が復興に向けて必要だと思うんですよ。こういう向こうが求めている人材を今後どのように派遣をしていくのか、その辺の取組について現在のところどう考えているのか、その方針を示していただきたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 総務部長。 ◎総務部長(池松誠二君) 議員ご指摘のとおり、今後、被災地への支援の種類ということについては、やっぱり変わってくるものと考えておりまして、被災地におきましても仮設住宅への入居が進んでおりますし、避難所はすべて閉鎖をされております。罹災証明書も多くの住民の方に行き渡るなど、今申し上げたとおり、被災地のニーズも変化してきているというふうに考えております。 今後は、福島県における200万県民を対象とした健康管理調査や道路・港湾の復旧等のインフラ復興支援、それから、中・長期の支援等が必要とされてくるものと考えておりまして、本年4月以降、全国知事会を通じた要請等に応じまして、専門的な知識を有する技術職員などを1カ月から1年の期間にわたりまして、平成24年度においては、現在、20名を派遣しております。 今後とも、こういう専門的な職員の要請があれば積極的に対応していきたいというふうに考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 1カ月から1年の間に20名ぐらいを今派遣しているということなんですが、やはり資格を持った人、要するに職員のOB、今まで県庁に勤めておって、いろんな下水道とか建築に携わった人、あるいは民間の企業でもそういう資格を持っている人がいると思うんですよね。そういうOBの活用はどのように考えていますか。 ○議長(宮内雪夫君) 総務部長。 ◎総務部長(池松誠二君) 議員ご提案の職員のOBの活用につきましてですが、おっしゃるとおり、専門的な知識、経験を持つ即戦力として期待される人材だというふうに我々も考えておりまして、派遣による被災地での業務従事、または本県正規職員が派遣されたあとの本県での代替職員としての活用などが想定をされると考えられますので、どのような対応ができるか検討をしていきたいと考えております。 また、被災地地方公共団体におきましても、職員OBや専門的な知識、経験を持つ者を対象とした職員採用も行われておりますので、職員OBの方々に対して、そういう採用情報の提供などを行っていきたいと考えているところでございます。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 県職の人は20名ですが、市町に対しての要請は県としてしているんですか。こういう土木職、建築職、その辺の派遣要請はどうですか。 ○議長(宮内雪夫君) 総務部長。
    ◎総務部長(池松誠二君) まず、先ほど申し上げた被災地での採用につきましては、こういう制度がありますということを市町にもお知らせをしております。 それから、現在、市町の職員の方では、建築職の方が行っていただいているというふうに聞いております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) わかりました。今後とも、現場の人たちにできるだけ喜ばれるような対応を、ぜひ長崎県でも今後とも引き続きしていただくように心からお願いしておきたいと思います。 (3) 人口減少、雇用対策について。 中村知事は、就任の時、「今何が一番必要なのかといったら経済・雇用対策だ」と、こういうことを強く言われました。いまだに長崎県の人口減少は歯止めが効いておりません。特に、離島の人口減少が、即、長崎県全体の減少率につながっているような傾向が見受けられますので、離島の人口減少をいかに止めるかと、ここが一番大きなポイントだろうと私は思っております。 県は、「しまは日本の宝」戦略と、こういう大きな方針を立ててやっておりますが、県の離島振興対策の今までの成果というんですか、離島に対する施策の成果は具体的にどのようなものがあるのか、ちょっと示していただきたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 私は、これまでしまの振興なくして本県の発展はないといった考え方のもと、離島振興を県政の重要課題の一つとして取り組んでいるところであります。 これまで県では、離島振興法に基づきまして道路や港湾、漁港などの産業基盤、生活基盤など、本土から隔絶することによって抱える不利条件、これを除去するためのハード事業を中心に、さまざまな事業を推進してまいりました。 その結果、インフラ整備等の面では相当程度、格差の縮小が図られたのではないかと考えております。 しかしながら、こうしたハード面だけの取組ではなかなか地域の振興、産業の活性化ということにつながっていかないということもありまして、近年においては、ソフト対策にさらに力を入れる必要があると考えて、地域の特性や生産者のこだわりを活かした収益性の高い農林水産業の振興、あるいはコールセンターなどの企業誘致、そしてまた、国の交付金を活用した基幹航路の運賃低廉化などの施策の推進に努めてまいりました。 一方また、住民の方々に安心して暮らしていただくために不可欠な要素であります離島の医療の確保につきましては、県と市町で設立をいたしました病院企業団による病院等の運営、あるいは離島・へき地医療支援センターの設置、ドクターヘリの導入や新・鳴滝塾構想の推進など、さまざまな事業に取り組むことによって、離島住民の生活の質の向上にも力を注いできたところであります。 こうした取組によって、例えば医療等の面では、一定程度の成果が得られているものと考えております。 しかしながら、全般的に見た場合に、議員ご指摘のとおり、経済・雇用対策、これにはまだまだ力不足ではないかと、こう考えているところでありますので、具体的な成果を実感していただけるよう、さらに努力をしていかなければならないと考えているところであります。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 今、知事の意気込みはわかったんですが、しかしながら、やっぱり人口減少に歯止めはかかってないんですよね、いまだにですね。率直に知事として、この人口減少に歯止めがかからないのは何が一番要因だと思っていますか。 そして、今後、離島に対して、具体的にこのようなことをして人口減少に歯止めをかけたいと思っている施策がありましたら、お示しいただきたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 確かに現状、人口減少になかなか歯止めがかからないという厳しい状況が続いているところであります。 その主な要因といたしましては、まず人流、物流に係る輸送コストの問題があるのではないかと思っております。 本県の離島は、五島、壱岐、対馬など、本土から遠く離れておりますために輸送コストがかさみまして、島内の産業振興はもとより、例えば交流人口の増大を図るための観光産業の振興にとっても大きな障壁となっているところであります。 また、もう一つの要因は、離島の基幹産業であります水産業を取り巻く非常に厳しい現状があると思っております。 長引く魚価の低迷、あるいは燃油価格の高騰などによりまして大変な苦戦を強いられ、極めて厳しい状況にあります。 さらにまた、この間、長年にわたって離島の雇用の受け皿となってまいりました公共事業の大幅な削減といった状況も見られるところであります。 国の財政構造改革の影響を受けて、本県の離島の公共事業はピーク時の3分の1まで減少するということになって、その影響は非常に大きなものがあるのではないかと考えております。 こうした諸要素に加えまして、例えば生活環境の基盤整備が遅れているというようなこともありまして、さまざまな要因が複合的に作用して現在に至っているのではなかろうかと考えているところであります。 こうした中、どういう形で人口減少に歯止めをかけていくかということでありますけれども、まさに今ご説明申し上げたように、待ったなしの状況が続いているわけでありますので、昨年は県議会、離島市町の皆様と一緒になって、従来にない思い切ったソフト施策の充実を含めた新しい離島振興法の改正・延長に当たっての意見書を国に提出させていただきました。 現在、この改正離島振興法につきましては、与野党間の協議が進められ、今国会に上程されるというお話もお聞きしているところでありますけれども、その改正離島振興法の中には、本県が提案しておりましたソフト事業の充実に活用できる交付金の創設なども盛り込まれる見通しとなっております。 また、本県ならではの課題でありますけれども、国境離島の振興に対しても、この離島振興法の附則の中に何らかの表現が盛り込まれるのではないかと期待をいたしているところであります。 本県といたしましても、こうした人口減少に歯止めをかけることを目的に、「しまは日本の宝」戦略というのを策定いたしまして、それぞれのしま特有の地域資源を最大限に活かした産業振興、あるいは交流人口の拡大を図って、活力のあるしまづくりを目指しているところでございます。 具体的には、例えば五島列島は「椿と教会」、壱岐は「古代ロマンと麦焼酎」、対馬は「韓国との交流」といった、しま独特の切り口を明らかにしながら、現在、そのプロジェクトの具体化に向けて市町とともに検討作業を進めているところであります。 特に、先般、国に推薦書原案を提出いたしました世界遺産の登録に向けて全力で努力をしているところでありまして、こうした「長崎の教会群とキリスト教関連遺産」につきましては、今後、長崎県のしまを世界にアピールできるきっかけになるのではなかろうかと考えているところでございます。 また、こうした具体的な取組にあわせて、離島の最大のネックであります輸送コスト対策、あるいは島外からの消費の呼び込みを図ることを目的といたしまして、「しま共通地域通貨」の発行に向けての検討も現在進めているところであります。 いずれにいたしましても、こうした課題は県だけの力ではなかなか難しいところもありますので、市町、あるいは県民の皆様方と一緒に知恵を出し、力を合わせて取り組んでいきたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 今、いろんな方策を示されましたが、まさに私どももそう思っていますので、「しまは日本の宝」戦略、これはぜひ思い切った施策を県としても講じていただきますように心からお願いしておきたいと思います。 次に、平成20年のリーマンショックで、「長崎県緊急経済雇用対策会議」というのが設置をされました。 私も質問のたびにこの経過についてお聞きしているんですが、この1年間の活動とその分析について、ご報告いただければと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(山田伸裕君) ご質問の会議でございますけれども、これは世界的な金融危機の状況を踏まえまして、平成20年12月に設置をいたしましたもので、昨年度は7月と12月の2回、開催をいたしております。 7月の会議では、6月補正予算と東日本大震災の本県への影響につきまして、12月の会議では、県の平成24年度重点戦略案につきまして、それぞれ意見交換を実施いたしております。 会議では、県産酒の愛飲運動の実施ですとか、離島の活性化につきましての要望、東日本大震災の影響で企業が生産拠点を西日本に移転しようという動きに関する質問や意見が出されております。 こうした要望や意見に対しまして、例えば、かねてから実施をしております県産品愛用運動推進事業におきまして、今年度は県産酒を重点品目とするなど、適宜対応させていただいております。 以上が平成23年度の状況でございますが、この会議は設置以来、実務者会議を含めまして10回開催をしておりまして、これまでの取組の実績といたしましては、雇用創出基金事業により、平成21年度からの3年間で延べ1万2,000人を超える雇用を創出いたしております。 また、緊急融資などの実行によりまして、平成21年度までは年100件を超えておりました企業の倒産件数が、ここ2年間は70件台で推移をいたしております。 今後とも、必要に応じて会議を開催いたしまして、関係団体との意見交換を行い、連携した取組を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 今、産業労働部長が言いましたように、それなりの効果が出ていると、こういうことで理解したいと思いますので、今後とも、引き続きこの長崎県緊急経済雇用対策会議を開いていきながら情勢分析し、そして、打つべき時に手を打つと、こういうことでぜひお願いしたいと思います。 それから、長崎県の労働時間を全国と比較すれば、長崎県が一番労働時間が長いんですよね。 平成21年の30人以上の雇用労働者の月の平均が163.9時間で全国一長いんですよ。2番はどれくらいかといいますと、佐賀県とか大分県で155時間です。ここに約9時間ぐらいの差があるんですよ、1番と2番が。2番から以降、2番が155時間ですけど、2番、3番ずっといきますと、28県が150時間台なんですよ。150時間から155時間の間に28県あって、ぽんと飛んで163.9時間、約9時間の差で長崎県が1番。なぜ長崎県だけ、これだけ飛び抜けて長いのか、これは分析したことがありますか。 ○議長(宮内雪夫君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(山田伸裕君) 議員ご案内のとおりに、国の「毎月勤労統計調査」によりますと、平成22年度の本県の労働者1人当たりの年間総労働時間が、これは年間でございますが、1,927時間と全国で最も長くなっております。 また、現在のところ、まだ順位は出ておりませんけれども、平成23年度につきましては、前年より51時間短くはなっておりますけれども、全国平均を上回っているという状況にあります。 これは本県の週休2日制の導入が進んでいないということですとか、その関係で年間出勤日数が全国平均に比べて多いということがございます。 さらには、年次有給休暇の取得率が低いことなども主な要因として考えられております。 今後は、さらに要因の分析を行いたいと思っておりまして、分析の結果を受けて労働時間の改善に向けての対策を真剣に検討してまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 平均で約9時間の差があるわけですから、よその県は、要するにたった5時間の中に28県集中しているんですよね。これは何かもう少し突っ込んで調査していただきたいと思います。 要するに、労働者がもらう賃金は全国で30位なんですよ。これだけ働いておって全国30位の位置でしかない。これはやはり長時間労働・低賃金なので、この辺の分析をしっかりと産業労働部長、よろしくお願いします。 私が言いたいのは、これだけ長時間労働であれば、ワークシェアリングすれば、もう少し雇用が増えるんじゃないかと思うんですよ。原因をはっきりつかんで、ワークシェアリングしてもう少し雇用の場を拡大するような方向でぜひ分析をしていただきたいというふうに思います。(発言する者あり) (4) 高齢者対策局の設置について。 これは昨年もちょっと私は要望していたんですが、今、長崎県の子どもが県内で約17%、それから65歳以上は26%の37万人おるわけです。こども政策局は、この17%を対象にしてつくっているんですが、今日まで長崎県を支えてきた、発展させてきた高齢者の皆さんにもっと、自分が経験してきた技術、能力を社会に貢献できるような、そういう高齢者対策局の設置ができないものか。去年、私が質問した時の答弁では、全庁的に取り組んでまいりたいという答弁が返ってきておりますが、その後の検討結果についてお示しください。 ○議長(宮内雪夫君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(濱本磨毅穂君) 高齢者対策局の設置についてのお尋ねでございますけども、高齢者対策については、各部局共通の課題であると考えております。 特に、高齢者に関する施策は、雇用対策、福祉医療、地域振興、文化・スポーツ振興、ボランティア推進など多岐にわたっておりますことから、1つの組織に集約することは難しい面がございます。また、課題に応じたそれぞれの場面で対象者とより身近な各部局において、専門的、具体的に取り組んでいくことが効果的であると考えておりますが、さらに効果を上げるには、議員ご指摘の元気な高齢者の活躍の場の確保など、具体的な課題について各部局の取組を連動させながら実施することが必要であると認識をしております。 本年3月に生涯学習や高齢者の知識、技術を活かした世代間交流の推進など、全庁的な取組を盛り込んだ「長崎県老人福祉計画」を策定したところでございます。 福祉保健部として、今後、さらに各部局と一体となった総合的な高齢者対策を推進してまいりたいと考えているところでございます。 以上です。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) それぞれの部局で高齢者対策をしているということですが、それを横断的に取りまとめる局も必要じゃないかなと私は思っているんですよ。 例えば、今まで野球をしていた先生が転勤でいなくなって、誰か野球を指導してくれる人がいないだろうかとか、地域の伝統芸能をこの人は教えるんだけど、そういう地域のコミュニケーションがとれないだろうかとか、学校の先生のOBが若い人たちに経験を活かして指導できないだろうかとか、そういうことはいろんな分野であると思うんです。それを統括的にまとめるような局が対策局としてできないものかどうか、その辺を知事にお尋ねしたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 先ほどお答えをいたしましたように、高齢者に対するさまざまな施策を考える場合、非常に広範囲な分野にわたっております。医療、福祉、ボランティア、地域づくり、そういった機能を1カ所に集めるというのは、これは組織として非常に難しい形になるだろうと思います。 議員ご指摘のように、総合的に相談できるようなワンストップの窓口は必要だろうと思いますので、長寿社会課の中にしっかりと設けてまいりたいと思っております。 そしてまた、こうした各種施策の整合性のとれた推進についても、これから連携を図りながら計画的にしっかり取り組んでまいりたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) やはり60歳以上の人たち、65歳、私もそうなんですけど、団塊の世代でいろんな経験をした人が、人材がたくさんおりますので、ぜひその方向で、前向きの回答をいただきましたので、了としたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。 2、県の財政援助団体への包括外部監査結果について。 これだけの厚い本を私は全部読ませていただきました。非常に厳しい指摘が出てきております。2本部20課5室、所管団体が13団体、組織内の任意団体が22団体を監査して、指摘が144件、改善事項が117件、計261件に対していろんな指摘がきております。これについて今後どのように対処しようとしているのか、このことについて県の方針をお聞かせいただきたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 総務部長。 ◎総務部長(池松誠二君) 昨年度の包括外部監査におきましては、負担金、補助及び交付金に関する財務事務の執行及び今おっしゃったいわゆる特殊関係者との取引についてをテーマに実施されまして、144件もの指摘を受けたということで大変重く受け止めております。 監査結果につきましては、本年3月に包括外部監査人から知事、議会、監査委員等へ提出をされたところでありまして、監査委員の方から内容が公表されました。 今後は、県が監査結果に対して講じた措置とを12月までに監査委員へお知らせをいたしまして、議長へ報告するとともに、監査委員から公表されることになっております。 指摘につきましては、監査の結果報告を待つことなく、是正可能なものから速やかに措置をしておりますが、事務処理に対する注意喚起とともに、早急かつ的確な改善措置を講じるよう、本年3月及び4月に各部局に対して指示をしております。 包括外部監査の指摘事項については、早急に是正し、さらに適正な事務処理に努めることで、より効率的な行財政運営に努めてまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) (1) 指摘に対する今後の対応。 この中でちょっと私が気になったことを何点か申し上げたいと思いますが、県の貿易協会の上海事務所長は、職員派遣の条例違反であると、すぐに対処しなさいということになっています。 それから、県の課内に事務所を置く任意団体、例えば、県地域づくりネットワーク協議会は、繰越金が多いために370万円の基金を協議会の中につくっていると。これは県が年間200万円の補助金を出しているんですが、この繰越金が大体400万円から500万円ぐらいあるものですから、この中で独自に基金をつくっているわけです。監査の指摘は、基金がつくられれば貸借対照表までつくらないと、このチェックができないと。そうしますと、要らぬ事務手続があるわけです。 ほかのいろんな団体も、県が補助金をやっている以上に繰越金がある、これはしっかりと見直すべきなんですよ。(発言する者あり)そこのところが、一般会計のうちの約21%、1,526億円を県はこの補助金関係に使っているわけです、私たちの税金の2割を。ここはしっかりとメスを入れていただいてするべきだと思っているんです。 それと、外部監査の方が、県の外郭団体の中にある任意団体は再考すべきである。一人の人が予算を申請して、その予算を自分が使ったようにして報告書を書く。これはもう牽制がきかないということが指摘されております。この辺は素早くすべきだと思うんですが、この辺についての具体的な、要するに、監査を受けた後の指摘に対する対応はどうしましたか。 ○議長(宮内雪夫君) 総務部長。 ◎総務部長(池松誠二君) さまざまなご指摘を受けた中で、議員ご指摘のように、事務的なケアレスミス的なものも含まれておりますし、重大な、先ほどおっしゃったように補助金の残額で基金をつくっているというような運営上の問題も出てまいりました。 幾つか対応策を紹介いたしますけれど、ご指摘があった上海事務所長につきましては、いわゆる非常勤ということで職専免をしておりましたけれども、これについてはご指摘がありましたので、派遣法に基づく派遣ということに手続を切り替えております。 また、外郭団体の任意団体と県の事務執行者が同一人物ということにつきましては、補助金の申請者とチェック者を分離するというような手続もしております。 また、それぞれの補助団体の補助金の残余の問題等につきましても、所管団体が対応について検討しておるものもございますし、例えば、総会等の手続を経て是正すべきということについては、その総会の開催を待って是正すべきものは是正するというような対応をしております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 私たちの支出の2割を占めている補助金をしっかり見つめ直すように。あと、それぞれの常任委員会でもこれはチェックしていきたいと思います。 (2) 諫早湾干拓課への指摘について。 それと、あと1つ、諫早湾干拓課への指摘がものすごく厳しい口調でされております。これは読みあげさせていただきたいと思います。 県の据置期間の利息が1年多いために、返済が必要となる元利償還金の金額が約5,594万6,000円多いと。このことについて、この監査委員は、「一県民として当方は怒りを感じている。多額で長期にわたるプロジェクトで、しかも、潜在的なリスクも非常に高く、将来世代への巨額な負担を強いるにもかかわらず、単純な計算誤りによって返済計画の正確性の確保に慎重さを欠いていたことに驚きを禁じ得ない。複利計算の返済など表計算のソフトを使って安易に答えが求められ、返済回数も指を折って数えれば間違うはずもないものを、なぜ誤ってしまったのだろうか。そして、なぜこれまで誰も誤りに気づかなかったのだろうか。一握り、もしくは一人の担当者が返済計画を作成し、そのロジックさえ組織内で共有することなく計画が仕上がり、ある程度説明が済んだ後は誰の目に触れることもないまま封印されていたのだろうか。今回の監査を機に、今回は組織内でどういったロジックで貸付農地の事業が成り立っているのか確認していただきたい。さらに、どこに危険性がひそんでいるのか理解して、計画の修正の余地がないのか検討していただきたい。そして、担当者がどれだけ交代しようと、それが何世代であろうと、返済の日まで確実に安全に事業を継続してほしいものである」と、こういう外部監査の指摘があっているわけです。ここまで言われるようなずさんな干拓地だったのかと私は非常に残念でなりません。 70年間という長期返済にわたるこの計画について、こういう指摘がされたわけですので、農林部長、この指摘を受けて今どういう対応をしていますか。 ○議長(宮内雪夫君) 農林部長。 ◎農林部長(上田裕司君) まず、今回の試算の誤りの原因でございますけれども、これは平成19年度に諫早湾干拓農地に係ります償還スキームを検討するために利息計算の試算を行っております。その際、その試算表を実際の貸し付け、平成20年度の貸し付けの際、修正をせずに使用したことによりまして、実際の据置期間よりも多目に利息が算定されている状態になったということでございます。 具体的に平成19年度の試算段階では、県から公社への貸し付けを平成19年度に行い、据え置きを平成46年2月までという設定で試算を行ったものでありますけれども、実際の県の貸し付けは、平成20年度に行って、据え置きも平成45年2月までということになっております。 しかしながら、利息計算につきましては、平成19年度の試算の際に使用しました据置期間をそのまま使用したために、据置期間満了後に償還が開始される据置期間中全体の算定利息が約5,600万円多くなったものでございます。このことは、利息計算表の修正なり使用に当たりまして慎重さが欠けていたというふうに思っているところでございます。 監査の指摘を踏まえまして、まずは速やかに修正を行っております。 また、今後、長期間にわたって、この返済スキームを適正に管理していく上で、こういうふうな慎重さに欠ける誤りが起こらないように、計算で行う表計算が間違いがないようなシステムにまずは変えて、その後、複数で必ずチェックをしていく。それと、中身の問題点について必ず引き継ぎをやっていく、そういった対応を今後とっていきたいと思っているところでございます。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) こういう指摘がされるのは、私も本当に恥ずかしいんですよ。県としてしっかりと、こういう大きなプロジェクトですから、70年間かけて返済する計画ですから、複数の人がちゃんとチェックすべきですよ。今後とも、体質をぜひ改めていただきたいと思います。 3、各種基金の活用について。 (1) 平成24年度で終わる基金の活用について。 国の経済対策でいろんな基金が設置されまして、今年度、平成24年度で期間が終わる基金が数多くあります。その中で余った基金は国に返さなければいけないわけでありますので、例えば社会福祉施設耐震化臨時特例交付金、この現在の残高が13億7,200万円、安心こども基金が11億6,900万円、医療施設耐震化臨時特例基金は10億3,400万円と、10億円を超している基金が3つぐらいあるわけですが、今後、残せば国に戻さなければならないわけでありますので、せっかく国の経済対策で設置された基金ですから、これを今年、どのように使おうとしているのか、活用しようとしているのか、その個別の基金ごとに対応方針を示してください。 ○議長(宮内雪夫君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(濱本磨毅穂君) ご指摘がございました基金のうち、まずは社会福祉施設等耐震化等臨時特例基金でございますけれども、障害児関係施設、児童関係施設及び救護施設の耐震化とスプリンクラー整備のための基金でございます。 障害者関係施設につきましては、平成21年度から平成23年度にかけて毎年周知を図りながら、スプリンクラーについては対象の14施設中8施設が、耐震化については21施設中、本年度の予定を含め、6施設が整備を行うこととなっております。 児童関係施設につきましては、耐震工事が必要とされた5施設中3施設が整備済みで、残る2施設が整備について現在検討を進めているところでございます。 救護施設につきましては、整備対象となる1施設を本年度整備することとなっております。 そういう中で基金総額約25億円に対し、現時点での執行見込み額は13億円で、基金残額は12億となっております。 本年度が事業の最終年度ということでございますので、未実施の施設に対して、個別に一層強力に活用促進を働きかけてまいりたいと考えております。 次に、災害拠点病院の耐震整備を目的とする医療施設耐震化臨時特例基金は、対象となる45施設のうち、アンケートで要望のあった施設すべての工事に補助できるよう、約37億円を積み立てております。 その後、資金繰りを理由に5施設の辞退がありましたので、追加の要望調査を2回実施した結果、新たに3施設の要望がありました。 しかしながら、これらの辞退と入札執行減の結果として、平成25年度末の執行残約6億5,400万円が見込まれております。 なお、補強工事を予定している施設のうち、1施設が新築工事への変更を検討いたしており、その場合の執行残は約3億1,700万円に縮減をされると、そういう見込みになっております。 以上です。 ○議長(宮内雪夫君) こども政策局長。 ◎こども政策局長(大串祐子君) 安心こども基金について、お答えいたします。 この基金は、平成20年度に国の経済対策を受け、保育所整備や地域子育て創生事業、それから、ひとり親家庭の就業支援、児童虐待対策など、子どもを安心して育てることができる環境整備を目的に、子育て支援対策臨時特例交付金を財源として創設いたしました。 これまで、国からは、平成20年度から6回にわたり、合計約65億円の配分が本県に行われ、基金の執行残は、平成24年度当初予算を含めますと、現在、約11億6,000万円になっております。 この執行残につきましては、この9月補正を目指して極力使いますとともに、このうちひとり親家庭等の支援につきましては、平成26年度まで継続されることとなっておりまして、また、耐震化等、喫緊の課題でございます保育所の施設整備については、これまでに2度、事業期間が延長された経過を踏まえ、国に対してさらなる期間延長と財源確保を要望してまいりたいと存じます。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) やっぱり経済対策で国からきた基金ですから、この期間にぜひ耐震化、あるいは安全施設をするように強力に進めて残がないように努力していただきたいと思います。 4、環境政策について。 (1) 電気自動車、LED電球の普及計画について。 まず、電気自動車ですが、今、五島地区でかなり充実してやっているんですが、この電気自動車を今後普及させるために長崎県としてはどのような方法で普及に向けて取り組もうとしているのか、端的にお伺いします。 ○議長(宮内雪夫君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(山田伸裕君) 電気自動車の普及に関します県の方針でございますけれども、県といたしましては、平成25年のEV・PHVの普及目標を500台と定めておりまして、さらに、県下全域をEVで安心して移動できる充電環境の実現に取り組んでいきたいということで進めております。 EV・PHVの普及のためには急速充電設備の導入が欠かせないと考えておりますことから、今年度におきましては、引き続き、県と市町連携のもとに、充電設備の空白地域、主要な地点間の道路距離などを勘案の上、10カ所程度を整備していくということで考えておりまして、今後とも計画的に進めてまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 五島地区は世界遺産の教会巡りを含めて充実された地区になっているんですが、今後、島に対して、ガソリン代が高い壱岐、対馬についての方針はどうなんですか。 ○議長(宮内雪夫君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(山田伸裕君) 確かに、議員ご指摘のとおり、離島地区のガソリン代は、本土と比べてかなり高くなっております。したがいまして、離島振興の観点も踏まえまして、そうした離島地域におきまして、どのような普及方法が考えられるのかなどにつきまして、今後、地元ととも協議をしてまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) この電気自動車については、隣の佐賀県が非常に進んでいるんですよ。島はないんですけれども、世帯数の割合でいけば九州で一番、あと、ファミリーマートにも急速充電器を付けているので、その辺は隣の佐賀県に負けないぐらい普及に向けてぜひ頑張っていただきたいと思います。 それから、LED電球の関係ですが、これは前回、学校の体育館の水銀灯のかわりとか、あるいは国道の街路灯、ここにLED電球を普及させて取り組んだらどうかと、こういうことで質問しておりました。街路灯等につきましては、熱とかなんとかの関係があって、まだ導入が図られていないということですが、現段階の学校の体育館における水銀灯にかわるLED電球の普及状況、あるいは約6,000灯ある道路の照明灯についてLED電球の普及状況を示してください。 ○議長(宮内雪夫君) 教育長。 ◎教育長(渡辺敏則君) 私の方から学校におきます体育館のLED電球の導入について、お答えいたします。 公立の小中学校の体育館への導入につきましては、議員からご意見をいただきました昨年度から今年度にかけまして、3市18校で設置及び計画が進められております。 なお、県立学校につきましては、少し照度を高める必要があるということもございまして、なかなか設備投資に経費がかかるということもございまして、現時点では導入はされておりません。 以上でございます。 ○議長(宮内雪夫君) 環境部長。 ◎環境部長(徳永孝二君) 道路照明のLED電球の導入状況について、ご説明をいたします。 道路照明につきましては、既に一部で試行的にLED照明を導入しております。 今後でございますけれども、平成23年度に国が示しました「LED道路・トンネル照明導入ガイドライン案」に基づきまして、今後、経済性も比較しながら導入を進めてまいりたいと考えております。 以上です。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 県が管理する県立学校への導入がゼロということですが、これはぜひ進めてくださいよ。生徒に対する節電意識、あるいは環境政策、そういう教育の面もあると思いますので、あと3市18校だけじゃなくて、各教育委員会に対して、ぜひLED照明の普及を呼びかけていただきたいと思います。 (2) 学校における節水対策について。 私は、4月10日からブータンに行ってまいりまして、シャワーはちょろちょろ、ちょろちょろしか出ないんですけれど、幸せを感じているブータン国に行ってまいりましたが、今、学校における節水対策について、どのような対策がとられているのか、説明してください。 ○議長(宮内雪夫君) 教育長。 ◎教育長(渡辺敏則君) まず、県立学校におきましては、節水コマや給水バルブを絞っての水量調整、女子トイレにおきます擬音装置の設置など、すべての学校で節水対策を行いますとともに、生徒会活動等を通して学校全体での節水に取り組んでいるところでございます。 なお、農業高校など水を大量に使う学校につきましては、例えば、雨水、あるいは井戸水を利用するなどもあわせて行っております。 一方で、公立の小中学校につきましては、地域の実情等に応じて節水コマの設置など設備面での対策を講じておりますけれども、一方で、環境教育の一環としまして、手洗い、清掃活動等におきます水の効果的な使用法に関する指導、あるいは児童生徒が自ら節水を呼びかける委員会の活動、こういったさまざまな活動が取り組まれているところです。 以上です。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 環境問題については、電力の関係もありますが、ぜひ今後とも学校における意識づけを含めて、LED照明を含めて導入を急ぐようにお願いしておきたいと思います。 5、観光行政について。 (1) 上海航路の支援のあり方について。 今、オーシャンローズ号が、今、SSKで修理されておりまして、7月23日まで改修予定と、こういうことでいよいよ夏休みに本格的な稼働に入ります。 平成22年度、平成23年度、平成24年度に上海航路に関する県の予算を幾らかけているんですか、総額を示していただきたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 文化観光物産局長。 ◎文化観光物産局長(坂越健一君) 上海航路につきましての平成23年度の予算額は、実績ベースでありますが、2億9,300万円となっております。うち施設整備を除く事業費は9,800万円となっております。 また、平成24年度につきましても、予算額は4億7,800万円となっておりますが、うち2億6,300万円は大型クルーズ船の寄港にも対応できる松が枝地区のターミナル建設に要する経費となっております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 県の予算を約7億6,000万円ぐらい投じた上海航路は、ぜひ成功させなければいけないわけです。この間、利用促進協議会の総会がありました時の予算も、628万円から約6,000万円と約10倍に膨らんで、長崎県の観光の成功に向けて予算を付けているんですけれど、今回、総務委員会としてあの船に乗って委員会をさせていただきました。向こうのクルーズの人が、「今は真っ赤っか」ですよと、経費関係はですね。真っ赤っかでも、これだけ県費を投入しているわけですから、県民の観光意識の向上に向けてぜひ成功させていかなければいけないと思っております。 あと、具体的に受け入れ体制として、夏は船が松が枝に夜に着くらしいんですよ。そうした時の買い物とか宿泊とか含めた受け入れ体制、中国語がしゃべれる人、例えば銀聯カードを導入した店に中国語をしゃべれる人がいるのかどうか、その辺の人材の育成について、どのような対策をとっていますか。 ○議長(宮内雪夫君) 文化観光物産局長。 ◎文化観光物産局長(坂越健一君) 中国語対応につきましては、当初より、長崎県の上海航路の旅游ネットワークというところで民間団体と商店街、商工会、会議所の連合会とも相談しながら、みんなで協力しながら対応を進めてまいりました。 県としましても研修をしてまいりましたが、商店街連合会の方でも中国語対応のための研修をやっておりまして、商店街の方もおもてなしスタッフの充実等の取組を進めてきております。 現状のところ、添乗員の対応によりまして特段ガイド等の支障は生じておりませんが、今後、中国人観光客が増えることが予想されますので、さらに対応をしっかりと進めてまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) (2) 観光予算の拡大について。 観光は、長崎県の大きな産業の一つですから、観光予算をよその県と比べてみたら、これは総務委員会で雲仙の観光協会との意見交換の場に出てきたんですが、一般会計に占める観光予算は長崎県は0.097%、0.01%もないんです。加賀の石川県は0.37%、沖縄県は0.24%、鹿児島県が0.23%ですので、この一般会計予算に占める観光予算をもう少し上げて、そして、上海航路の成功に向けての、あるいは雲仙、あるいは県北の西海、離島を含めた全体の観光予算の拡大に向けてぜひ取り組んでいただきたいと思いますが、これは総務部長、時間がないので端的に意気込みだけお答えください。 ○議長(宮内雪夫君) 総務部長。 ◎総務部長(池松誠二君) 調査の数字はいろいろ私も承っておりますけれども、その中に施設整備の費用を入れたり、入れなかったり等いろいろあると思います。 ただ、議員ご指摘のとおり、観光産業の振興というのは、本県県政の重要課題でありますので、できる限りの対応をしていきたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 渡辺議員-40番。 ◆40番(渡辺敏勝君) 6、長崎国体、障害者スポーツ大会について。 (1) 競技会場、宿舎、交通関係等の整備状況について。 残り時間がなくなったので後は要望にかえさせていただきますが、「長崎がんばらんば国体」が平成26年10月12日から、障害者スポーツ大会が11月1日からありますが、この辺の整備状況、特に障害者の皆さんのバリアフリー化を含めて準備に遅滞のないように、競技団体と十分話をしながら進めていただくように要望しておきたいと思います。 (2) 国体の総事業費について。 国体の総事業費は大体幾らぐらいかかるんですか、国体を開催するに当たって、総事業費がわかれば示してください。。 ○議長(宮内雪夫君) 国体・障害者スポーツ大会部長。 ◎国体・障害者スポーツ大会部長(藤原敬一君) 総事業費でございますけれども、競技力を除きまして施設運営で約270億円、国庫もすべて含めましてでございますけれども、そういう額になっております。 ○議長(宮内雪夫君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、11時10分から再開いたします。     -午前11時2分 休憩----------------------     -午前11時12分 再開- ○議長(宮内雪夫君) 会議を再開いたします。 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) (拍手)〔登壇〕連立会派、大村市選出、小林克敏でございます。 質問に入ります前に、昨日、ご葬儀が営まれました寛仁親王殿下のご逝去に当たり、心から哀悼の意を表する次第であります。 全国都道府県議会に先駆けて、我々長崎県議会、まさに県政史上にさんさんと輝く通年議会が導入されたのであります。 本日は、導入後初めての一般質問が執り行われ、私も連立会派同僚議員各位の温かい友情によって登壇する機会を与えていただいたのでございます。この記念すべきよき日に、私を激励してくださるゆえをもって、天候の崩れる中、1,000円のバス代等を支払い、しかも、昨日14日の開催予定が急遽本日に変わり、ご案内がわずか2~3日しかなかったにもかかわらず、このように傍聴席いっぱいの方々にお越しいただいたのであります。まことにありがたく、心から満腔の感謝を申し上げる次第であります。(拍手) さて、本県を取り巻く厳しい経済・雇用環境のさなか、県庁の行政や我々県議会も、これまでの発想を変えて、県民が求める真に活動する長崎県庁をつくらなければなりません。これまでの発想を変えて、県民が求める真に活動する県庁をつくるために、我々は、必要に応じて1年365日いつでも議会を開催し、行政を担当する職員の方々と議会が幅広い徹底した議論ができるようにする。これが通年議会の導入の基本であります。 県政与党である我々連立会派は、昨年5月、県政改革はまさに時代の要請である、この固い決意のもとに結成され、たくましく力強い県庁をつくるためには、まず我々の県議会を変えることが不可欠だと考えたのであります。言うまでもなく、県議会は、予算、条例、主な契約など主要案件のイエス、ノーの答えを出す決定者であります。同時に、知事に代表される県庁執行機関の活動の監視者でもあります。今後、真に求められる議会の役割は、議員自らが政策論争を行い、執行部提案の政策変更を迫るだけではなく、議員自ら政策、条例の提案者としての活動を高めていくことだと思うのであります。(発言する者あり) 議会が変われば、地方自治は変わる。議会が変われば、長崎県庁はたくましくなる。このことを我々は政治信念として、今後とも、力強く一歩一歩確実に歩んでまいりたいと決意しているのであります。 1、県民所得、人口減少、雇用確保等県政の命題の打開を目指した新たな戦略を求めて。 (1) 総合計画の位置づけについて。 さて、質問通告に従い、中村県政、いかなる戦略戦術をもって県政を推進していくのか。その中身の詰まった「長崎県総合計画」の位置づけについて、まずお尋ねをいたしたいと思うのであります。 長崎県庁で初めて総合計画が打ち出されたのが、何と昭和29年、爾来60年間にわたって幾たびか作成されてきました。長崎県に活力をもたらすために、県が打つ政策の要が総合計画であります。当然、この立案された施策や事業をきちんと実行すれば、長崎県はすばらしい活力に満ちた県になるのだという期待感の中で、総合計画を受け止めたいと思うのでありますが、そういう位置付けでよろしいのかどうか、まず知事にお尋ねをいたしたいと思うのであります。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 〔登壇〕小林議員のご質問にお答えいたします。 総合計画は、県政の基本的な方向性を示すものであり、「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く長崎県づくり」という基本理念のもと、10年後のあるべき姿を見据えつつ、5年間の重点的な取組を示したものであります。 産業や環境、福祉など各分野の計画や事業立案の基本となる総合的な計画として、県議会の議決をいただいて策定したものであります。 したがって、県にとりましては、業務遂行のよりどころとなるものであると同時に、県民の皆様方に対しては、そうした県の目指すべき今後の方向性をしっかりと説明をし、県民の皆様方と共有しながら、総合力を発揮して、その達成を目指していかなければならないと考えております。 夢を描く部分も含まれているところでありまして、その実現のために職員総力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。 残余のご質問につきましては、自席の方からお答えをさせていただきます。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) 中村知事が誕生いたしまして策定された総合計画、2年目を迎えて、ただいまご答弁のとおり、その位置付けというのはまさに県政推進、戦略、戦術、どういうふうにして県政を推進していくんだという、その道しるべということについてはわかりました。 本県の持つ、我々のいわゆる命題でありますところの人口の減少とか、県民の所得の低迷だとか、なかなか雇用対策がしっかり定着しないとか、結果を明らかにしていかなければいけないことではないかと思います。 知事は、ごあいさつの中で問題解決に向けた道筋を示していかなければならないと痛感していると。しっかり総合計画に対するところのいわゆるとらえ方、位置付けについて見解を明らかにされているところであります。 私は、この総合計画をきちんと達成をすれば、必ずやすばらしい活力あふれる長崎県になるんだという受け止め方で、まさに総合計画は県民に対するところの公約ではないかという考え方を持つわけでありますが、この県民に対する公約というのが総合計画であるという考え方についてはいかがお考えでございますか。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) この総合計画は、先ほど申し上げたような思いを込めてお示しをしているところでありますけれども、確かに一人の政治家として県民の皆様方にお約束をする、そういう意味では公約の側面もあろうかと思いますが、もう一つ、やはり行政が総合的に取り組む諸課題について計画的にその道筋を明らかにする、これも行政の指標でもあろうかと考えております。そうした二面性を持っていると思っておりますが、いずれにいたしましても、県民の皆様方にお示しをし、お約束をした計画でありますので、実現のためには全力で取り組んでまいりたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) (2) 総合計画の成果について。 要するに、この総合計画を立てて、知事を先頭として関係職員の方々が懸命に取り組んでいただいているということについてはよく理解をするところでございます。 今、お話されますように、知事として政治家としての公約、また行政の長としてのいわゆる業務の推進、こういう二面性の中から結論だけははっきりしておきたいが、やはりこの総合計画というものについては実現をしなければならない、成果を出さなければならない、このことについては私は不変ではないかと考えておるわけであります。 そういうようなことから考えまして、実は前回の金子県政の総合計画「ながさき夢・元気プラン」でありますけれども、この数値目標というのがびっくりしましたが、47%しか達成をされていないのであります。しかも、重ね重ね驚くわけでありますけれども、いわゆる県の評価は概ね達成となっていると。約半分しか達成されていないのに、概ね達成とはどのような基準で判断をされているのか。そんなに権威のない甘い判断がまかり通る県庁の姿勢なのかと、率直に言わざるを得ないわけであります。 私は、この47%の達成しかできていない、このことは実に我々は真剣に考えなければならないことだと思うんです。県政の活力をあらわす主要な指標を見ておりまして、まず知事もご案内のとおりでありますが、人口であります。長崎県の人口はどういう推移をしているかというと、昭和40年の本県の人口が164万1,000人であります。平成22年では、142万7,000人。約21万4,000人が減少しているではありませんか。特に注目すべきは平成17年から平成22年の5年間でどれだけの人口が減っているかというと、5万2,000人の減少であります。何と1年間に1万人の人口が減少しているではありませんか。 また、高校生の県内就職率も平成22年60.1%。全国平均の80.4%を大きく下回り、若者の県外への流出に歯止めがかかっておりません。有効求人倍率を見ましても、本年4月で0.61倍、全国の0.79倍を依然として下回っています。そして、1人当たりの県民所得も215万5,000円。全国順位も、知事の言葉をかりて言えば、「44位から46位台の、張り付いて動かない状況であります」と。総合計画が結果につながらないということ、知事も認められました。 こういう状況の中で、この総合計画を打ち立て懸命に取り組んでいるにもかかわらず、長崎県の抱える構造的な命題が軒並みに低下している、この事態を知事としてはどのように受け止められますか、お尋ねをいたします。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) まず、前計画であります「ながさき夢・元気づくりプラン」におきましては、具体的な事業の数値目標として239項目を設定しておりました。その数値目標を100%達成した項目の割合、これはご指摘のとおり47%でありました。しかしながら、各項目における目標の達成率、それを見てみますと、平均7割程度の達成は確保されていると考えております。 また、こうした目標が達成されなかった項目につきましては、例えば、円高や原油高、長引く景気低迷による雇用環境の悪化など大きな社会経済情勢の変化によるもの、国の制度変更等、あるいは市町の財政状況の影響を受けたものなどが4割に達するのではなかろうかと考えているところであり、そうした状況を総合的に判断いたしまして、概ねの達成がなされたものと考えたところであります。 なお、こうした未達成項目につきましては、現行の総合計画にそれぞれ適切に引き継いでまいっているところであります。 しかしながら、そうした中、議員ご指摘のとおり、本県の人口減少は、全国の中でも非常に深刻な状況で推移してまいっておりまして、特に離島地域からの人口流出に歯止めがかからないという深刻な状況に直面をいたしております。 そういったことから、現行の総合計画の中においては、こうした数値目標の中に島や過疎地域の人口の減少率の抑制というのを掲げて、具体的に「しまは日本の宝」戦略等を策定して、離島地域の振興対策、人口流出の歯止めに全力で取り組んでまいることといたしているところであります。 一方また、県民所得につきましても、これは歴代の知事さんが本当に苦労されてこられたところであろうと思いますけれども、現在も経済・雇用対策の観点から、企業誘致、あるいは地場産業の育成、第1次産業の振興あるいは観光振興などに積極的に取り組んでいるところでありますが、なかなか具体的な成果に結びつかないという状況にあります。 そういう中で、これまでの施策の推進の結果が、今としてあるわけでありますので、これからの施策の組み立て方、取り組み方が不十分な面がありはしないか、もう一度この統計状況の分析を進めて、具体的な戦略群を策定していく必要があるのではなかろうかと考え、今、その作業に取り組んでいるところでございます。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) 要するに、47%で概ね達成ということについてはいかがなものかということを申し上げました。そういたしますと、知事はただいまの答弁の中で、大体平均7割は達成をしているんだと。100%達成していないのが47%なんだと。大体7割はできていると、こういうことです。 私は、知事、7割であろうが、6割であろうが、9割であろうが、100であろうが、要はこの総合計画のスパンが5年とか10年あったわけです。10年先を見据えて、いわゆる当面前期の5年間、そして10年の中の後期の5年間、こういうようないわゆる分け方の中で、きちんと当面の課題をクリアしなければならないということになっているわけであって、何割達成しようが、その総合計画を実行することによって結果につながり、長崎県がよくなっている、こういうような答えがきちんと数字で出てくれば、我々は本当にありがたいと思うわけです。 ところが、ただいま申し上げますように、人口についても、所得についても、いわゆる雇用対策についても、あるいは言わなかったが観光についても、有効求人倍率についてもと、まさに長崎県の元気のあらわれる指標というものが軒並みに、しかも、その下がり方が異常なまでの姿になっているではありませんか。 私は、知事もお気の毒だと思っているんです。何も知事をやりたくて手を挙げてやったわけではないが、この大変なさなかに、このデータの悪さの中に、あなたは知事を引き継がれたわけです。 ですから、これからあなたが県政を担当していただく、その間にいかにこの内容が改善されるかということを我々は期待をいたしておるわけであります。私は、そういう意味から言いましても、やっぱり総合計画をつくることだけでも大変なことだと思います。 しかし、我々においては、要するにつくることに意義があるんではなくして、それをいかにして実行に移し、結果につなげるかというようなことを最も実は期待をいたしておるわけであります。軒並みに低下するこの数字を見る限り、その流れが止まらない。長崎県は、まさに時の流れに身を任せたままで大きくのみ込まれてしまうのではないかと、私は非常な危機感を感じているわけであります。 (3) 総合計画の検証について。 企画振興部長、あなたの出番です。なぜこのような結果になるのか、なぜこんなに数字が悪いのか、どこにどう対策を打たなければならないか、緊張感、危機感を持って総合計画の検証はどの程度おやりになっているのか、ひとつ企画振興部長にチャンスを与えたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(永川重幸君) 今回の総合計画の策定に当たりましては、前回計画の検証をまずいたしました。平成20年度に「ながさき夢・元気づくりプラン」の途中評価をいたしましたし、平成21年度には県政アンケート、そして、平成22年度に、10年間の人口や経済の動きを分析しまして政策展開の視点をまとめました10年の検証、こういったものを実施しております。 これらの内容につきましては、総合計画をご審議いただく中で、県議会にもお示しをいたしました。 平成20年度の途中評価は、施策の評価として、およそ6カ月間をかけて全庁的に検証を実施しまして、施策ごとに進捗を評価し、課題整理を行ったものでございまして、三役等による政策検討会議も開催して、今後の対応の方向性を取りまとめたものでございます。 また、平成21年度に実施しました県政アンケート、あるいは平成22年度に取りまとめました「10年の検証」についても、それぞれ2カ月程度をかけて分析等を行いまして、現行の計画の施策、主要事業に反映させるということにいたしております。 例えば、観光交流の促進とかブランド化に係る検証結果としまして、東アジアの発展を本県の経済の成長に取り込む中国へのビジネス展開などの方向性を取りまとめましたり、今回の総合計画の政策横断プロジェクト アジア・国際戦略などに反映させるということにいたしております。 以上でございます。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) 企画振興部長にチャンスを与えさせてもらったけれども、失礼ですが、その程度の答弁なら、これは時間がもったいなかった。(発言する者あり)その程度の話だったら委員会でやる。(発言する者あり)今、ここは本会議ですよ。傍聴人は400名を超えておるんです。 そういうようなことから考えた時に、なぜこれだけ数字が悪いのかと。もう大体普通の会社で言うならば左前、あるいは倒産しかねない、こんな状況の中にあるんだという、こういう危機感が、あるいは緊張感が全然漂ってこない。(発言する者あり)お人柄でもありましょうが、お静かであられますから。しかし、静かな中にも輝くものがきちっとあらなければいけない。こんな数字で、毎日枕を高くして眠れるのか。我々がもし事業者であるならば、これは到底許しがたい、承認できないような感じではないかと思うのであります。このことはぜひひとつ考えてもらわなければいけない。 私は正直に言って、検証という、なぜこういう数字しか出ないのか、なぜこんなによくないのか、どこに問題があるのか、なぜこうなったのか、だから、こうしなければならない。こういう反省と検証を繰り返し、もって新たな事業につなげる。もう無駄とわかる全然効果を生み出さない、そういう事業についてはお金の無駄、こんなものは思い切ってやっぱり断ち切らなければいけないと。私は、きれいに残すもの、見直すもの、やるべきもの、新たなもの、こういうようなことをしっかりやってもらう、それだけの緊張感が県庁の中にないということが極めて残念、このようなことを重ねて申し上げておきたいと思います。しっかりひとつ企画振興部長、頑張っていただくことをこいねがっておきたいと思うわけであります。 (4) 県民所得について。 知事が先ほど県民所得のことについてお話がございました。今、県民所得がなかなか向上しないということ、これは要するに県民所得をどう位置づけるかということでありますけれども、私は考えます。県民所得の結果は、まさに県の行う事業、施策のバロメーターであって、この県民所得がいわゆる好結果になってまいりますと、人口減少対策、あるいは雇用確保とか、そういうような県民の満足度、幸福度にすべて波及効果するんではないかというように考えているわけであります。 中村知事も先ほど申し上げられましたが、県民所得に対する並々ならぬ決意を話されましたが、今後、どういう取組を行おうとされているのかと。特に言及されましたところの算出方法を分析してみると、製造業の比率が高い各県が1人当たりの県民所得の高い傾向にあります。知事は、本県のどこに県民所得を上げるためのいわゆる要因を見出すのか、分析をされるのか、これからいろいろと取組を、いわゆる政策群という中においてやっていこうというようなお話でございますが、どういうような形の中で、いわゆる県民所得の向上を考えて、どんな体制をつくるのか。いつ頃までにそういう発表ができるのか、この辺のところについてお尋ねをしたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) これまでも、1人当たり県民所得が当議会でもご議論をいただいてきたところであります。この1人当たり県民所得そのもので、県政全体についてのバロメーターとするのはなかなか難しい面もあろうかと思いますけれども、その一方で、県民の皆様方の関心も非常に高く、経済活動の全般的な状況を示す指標でありますことから、大変重要な指標であると考えております。 これまでも、さまざまな産業分野の振興施策等について取り組んでまいったところでありますが、今現在行っておりますのは、県民所得を算出する際のさまざまなルールがございます。 例えば、本県では非常に大きなウエートを占めておりますサービス業分野では、それぞれの地域ごとの算出額は算定されません。国としての算出額を従業者数で案分するというふうな方法が取られております。 一方、製造業分野においては、製造業の付加価値額等が個別に算出される。そういう状況を十分に踏まえた上で、ご指摘のとおり、方向性としては製造業分野をいかに強めていくのかというのが非常に大切な視点になってまいりますけれども、ただ製造業を強めていくためにも、例えば、立地環境等を考えてみました場合に、本県と佐賀県を比較して考えても、その立地環境はなかなかに難しい点があります。片や人口は長崎県が相当に多い。人口が多ければ、そうした製造業が立地する可能性が高くなるかというと、決してそうではない。では、どういった施策を具体的に講ずれば、県外からの誘致等も思うような成果に結びつけることができるのか、そういったさまざまな観点から分析作業を進めて、具体的な方向性を見定めてまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) 知事の県民所得向上に対する並々ならぬ思い、そういうものはよく伝わってきます。これに懸命に取り組んでいこうとされる、その姿勢を評価したいと思います。 今申し上げるように、大体製造業の分野、これは私の方からも指摘をしましたし、知事からもお話がございました。そうしますと、例えば、県民所得の向上をもたらすための対策本部とか、そういうような何らかの組織を、やっぱり現状のままでは何も変わらないではなかろうかというようなことでありますが、大体対策本部的なものをおつくりになろうとしているのか。どういう方法でこの目的達成をして、県民所得の順位を1つでも2つでも3つでも挙げてもらう、そういう中から将来の希望を見出してもらう、こんなような感じを持つわけであります。 ですから、まず、対策本部的なものをおつくりになるかどうかということ、大体いつ頃結果をお考えになっているのかどうか、この辺のところを明確にお願いしたいと思います。
    ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 県民所得の向上を目指すためには、これから具体的な分析作業に着手をし、原因、有効な手法を検討し、実際推進していかなければいけないと思っております。そういう際に、例えば、企業誘致に今、私どもの体制で不十分な面がある、あるいはこういった取組が必要であるということになれば、その具体的な政策群、プロジェクトを推進するための組織等、必要があれば、これは根本的に見直しを進めていくこともあり得ると考えているところであります。 したがいまして、まずは原因分析と具体的な対策の方向性を見定める。それに対して、必要な推進体制の整備をしていくという考え方のもと、進んでいきたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) だから、その精神とかいうのはわかったが、具体的な内容はまだ明らかにされないんですか。(発言する者あり)あちらからも全然ないと、こうおっしゃっておりますが、私はそこまで言い切らないが、しかし現実にやるという決意だけがわかったと。しかし、今から我々は常に求めたいと思うことは、単なる気持ちとか精神論では困ると。やっぱり結果をもたらすための具体的な方法は何かと。そして、大体期限を切って、いつまでぐらいにこうやるんだということを明らかにしていくのが、これからの手法ではないかという考えを持つわけです。 だから、知事、大変厳しいようでありますし、また先ほど指摘したように大変難しい時にあなたは知事にご就任されたんだと。この数字の悪さは、何もあなたのせいではないと。これから、あなたがどれほどこれを改善して進めていただけるかというようなことに期待をしているわけですから、あんまり恐る恐る考えないで、我々はみんなあなたを支援しているわけだから、正しくやってもらい、結果を出してもらう。そういうようなことに前向きに取り組んでいただくことを期待いたしておるわけでございますから、ぜひ言葉だけじゃなくして、結果をあらわすように。そして、いつ頃対策本部をつくって、いつ頃県民所得が大体幾らか上位になってくるんではないかと、こんなようなことを打ち出すことが一日も早からんことを、私は心から期待し、お祈りを申し上げておきたいと思います。(発言する者あり) ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 例えば、県民所得の根幹となります産業振興を図る上で、第1次産業であります農林水産業、これは専門の部局をつくって長年にわたって取り組んでまいりました。 私は、これからの課題を考えます場合に、いわゆる製造業を含めた企業の振興にどういう方向性で取り組んでいくのかというのが非常に大きな要素を含んでいるのではないかと思います。例えば、企業の産業の振興を考える場合に、これまではどちらかというと、中小企業対策については、これはきめ細やかな対策を講じてまいりました。(発言する者あり)技術支援でありますとか、融資制度の拡充等については取り組んできたわけでありますけれども、やはり県の全体の付加価値向上を図るためには、中堅企業、大企業、こういった分野でももっともっと頑張っていただけるような施策を組み立てないといけない。そういう施策の転換も図っていく必要があるものと思っているわけでありまして、先ほど申し上げたように、これから細かな分析の上、政策群を明らかにしてまいりたいと思いますが、来年度当初予算にある程度の道筋をつけるための政策群を明らかにできないかと考えているところであります。その上で組織体制、推進体制についても考えてまいりたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) 来年度の予算に計上したいというお話がやっと出てまいりました。なかなかおっしゃっていただかないものだから、もうどうなることかと思って。もちろん何の打ち合わせもしていないわけでありますが、やっぱり一歩前進して、先ほどから言うように期限をきちんと切るということ。これはやっぱり目的を達成するための手法としては絶対に必要であります。まさにトップ指導者として、知事がリーダーとして持つべきものは、いつまでにどういう方法でどれだけの成果を生むということをはっきりおっしゃって、いわゆる職員を引っ張っていくという姿勢をぜひ貫いてもらうこと、ぜひひとつよろしく期待をしておきたいと思います。 では、時間がありませんので、次の問題に移ります。 2、通年議会を迎え挑戦する長崎県庁をどうつくるか。 (1) 知事の認識について。 だんだん時間がなくなってまいりまして、少し先を急ぎますけれども、今、日本全体の地方公務員の数は300万人と言われております。これは国家公務員を含めたいわゆる日本全体の公務員の約8割が地方公務員ということになっております。長崎県庁においても、知事部局を中心として一般行政職、これが4,500名いらっしゃいます。また、県警察が3,500名いらっしゃいます。教育委員会の教職員の方々が1万4,000名、総計で2万2,000名、これだけの数に上っているのであります。県庁職員の方々は、言うまでもないことであるが、やはり行政のプロとして自覚を持ち、知事の政策実現のための政策スタッフとなって、これまで以上に結果を出すということを求められているのではないかと思います。 このような中、知事はたしか4月2日ではなかったかと思いますが、いわゆる県庁職員の行政職に対して、「地域経営の責任者としての自覚を持て」と、こういうような訓話をかなり時間をオーバーして熱く語っていただいたということが聞こえてまいりました。「地域経営の責任者として自覚を持て」、これを要するに県庁の皆さん方に強く訴えられた、その知事の思いとはどういうものであるか、まずお尋ねしたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 現在、県政はさまざまな課題を抱えて大変厳しい状況に直面をいたしておりますけれども、こうした状況を打開し、次の発展に結びつけるためには、県の総合力を発揮して取り組んでいく必要があるものと考えております。そういった中で、県職員が果たすべき役割というのは非常に大きなものがあると思っております。県の職員は、さまざまな業務を遂行しておりますけれども、2人として同じ業務に取り組む職員はいないのでありまして、それぞれ1人ずつが、県政のさまざまな分野について責任を持って推進していかなければいけない使命を負っていると思っております。 したがいまして、それぞれ一人ひとりの職員が自ら所管する業務の分野について、県民の皆様方に対して具体的な成果をお示しする、そういう責務を負っているものと思っておりますので、そういった意味で県の職員一人ひとりは、その地域の経営について責任を持つ、結果を出して県民の皆様方にお返しをしなければいけないという立場にあるということを、機会あるごとに申し上げてきているところであります。 そういったことで、職員スピリットの中にもこうした地域経営の責任者としての自覚を持って、具体的な成果を県民の皆様方に還元してほしいということを申し上げてきているところでございます。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) ただいまの答弁で、県庁の職員の皆さん、頑張っていただきたいというような知事の思いが、まさしく経営感覚をしっかり持ってください、地域の経営の責任者だというようなお話でございまして、私はそういう知事の思い、その基本的な認識に賛同をいたすわけであります。 ところで知事、「経営」という言葉が最近頻繁に出てまいります。正直に言って、こういう行政のシステムの中には運営という形態はあったけれども、経営という言葉はなかったと思います。 福祉業界の中においても、昔は運営しかなかった。ところが、やっぱり経営をしなければならないという状況になってきた。こういうことからしてみて、やはり今も熱っぽく知事がおっしゃる、これからは結果なんだと。結果を出さなければならないと、こんなようなことを強調していただく。それがまことにもって、私は経営ではないかと思っているわけであります。 知事の考えられる経営という概念、要するに民間で言うところの経営、これに対して、いわゆる行政の経営というのはどういうものであるかと。もう既に知事のこれまでの答弁から、経営感覚をしっかり持っていただいているということがはっきりわかっております。ただ、知事、民間は経営ということについてはある程度利益を上げるということ、そして、一定の利益を上げて地域社会に還元をして地域貢献を果たしていく、これがいわゆる一般民間の企業の在り方ではないかと思うんです。 ところが、そういう利益を上げるためにやっているのではない、こういう行政システムの中で経営感覚が求められるということ、この点について知事としての認識はどういうものであるかと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 今日、私ども地方行政を取り巻く環境というのは、まさに厳しい競争の時代に入っているものと考えております。 こうした中、本県の発展を目指してまいりますためには、そうした競争の中にしっかりと生き残って勝ち残っていかなければいけないと思っております。そういう意味では、常に現状に満足することなく危機意識を持って取り組んでいく。県の活力を高め、底力を蓄えられるような体質をつくっていく必要があるものと思っておりまして、また、その具体的な施策の取組に当たっては、最少のコストで最大の成果を目指していくと。 したがって、そのためにはまた事業に満遍なく取り組むのではなくて、優先順位を常に考えて、どの施策が一番効果があるのかという選択をしながら進んでいく必要があるんではなかろうかと思っております。 そういう意味では、私は経営という言葉を使わせていただきましたけれども、まさに民間の方々がお考えの経営に近いものがあるんではなかろうかと思っております。ただし、民間の企業にあっては、議員ご指摘のとおり、経営者が従業員を動かすことによって一定の利益を追求していくという立場でありますけれども、行政の場合には少し異なってくるものと思っております。それは、県職員一人ひとりが走り回って汗をかくということだけでは成果に結び付かない。県民の皆様方に、いかに主体的に参加していただき活動をしていただくのか、それが具体的な成果に結び付く最大の要点だろうと思っておりますので、そうした観点から、県民の皆様方と連携を十分深めながら、この目的達成のために取り組んでいく必要があるものと。そういった点も含めて経営という言葉を使わせていただいているところでございます。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) 要するに、知事が、そうやって経営感覚を磨いて限りなく民間に近い発想の中でやっていってもらうということ、大変ありがたいと思います。要は、いわゆるトップリーダーの知事の顔を見て仕事をしてくださっている、あなたのいわゆる発想をきちんと受け止めて仕事をしていただいている県庁の4,500名の職員の方々が、どのようにあなたの思いをしっかり受け止めて、それを行動に起こし、結果につなげていただくかと。いわゆる職員が動いていただかなければ、いかんともしがたいというところ、ここのシステムづくりを、私はこれからどういうふうにやっていくのかと。 民間においては、やっぱり成績が上がらなかったら、例えば、飛ばされるとか、あるいはやっぱり不遇の身になると、あるいは窓際みたいなことになってしまうとか、そういうような信賞必罰があるわけです。頑張る者と頑張らない者の違い、そんなものはあってしかるべき。これが世の中の仕組みであるし、競争原理のもたらすよい点であります。 ですから、県庁の皆さん方は身分の保障がされている。なかなかいろんなことができないような状況の中で、反対に身分の保障があるからといって、知事から言われても、知事にどういうふうに思われようが、あまり気にかけないというような形の中でやっている。そこを何とか変える、そういう信賞必罰の制度をいかにして、あなたにきちんとつくっていただくかと。我々議会も応援します。我々議会も、よくなることについてはあなたを全面的に支援するわけです。ですから、この4,500名は長崎県にとってまさにシンクタンク、最大の頭脳であります。この4,500名のシンクタンクは、能力の高い方ばかりがいわゆる厳しい試験を受けて、これだけの職を得ているわけでありますから、これを使わない手はないし、この4,500名の方々が、打って一丸となって頑張れば相当な結果につながるということは誰が考えても明らかではありませんか。 知事、どういうシステムをつくるか。意欲を持たせ、やる気を出させて、結果を出させる。このシステムを語って、これを実行しなければ、また職員の方々が受け止めていただかなければ、これはどんなに熱っぽくしゃべっても、私は無理だと思うんです。 要は、いわゆる民間と公の県庁の違いというのは何かというと、私はそう思います。一言で言えば結果責任です。民間には結果責任があるが、いわゆるこの県庁の中には結果責任がない。こういうようなところをこれからどういうような形の中で考えていくか。しかも中村知事、あなたはいわゆる仲間から知事に就任されたのであります。国会議員とか、中央政府からもってきたような知事ではないんであります。まさにここの県庁マンとしてたたきあげてきて、そして、みんなから認められて今日のポストに就かれているわけであります。 ですから、県庁の職員も、同じ仲間から知事が誕生したというようなことの中において、中村知事に協力をしないのがおかしいのであって、(発言する者あり)ほとんどそんな人はいないではありませんか。(発言する者あり)だから、そういうようなことをばねにしながら、この厳しい環境、厳しい状況をしっかり県庁の方々にわかっていただいて、一歩でも進めるようなことをぜひやってもらうこと、これをお願いしたい。もうここについては答弁は要りません。 そして、もう一つお願いしたいことは、やっぱり今申し上げますように、総合計画について、申し訳ないが結果が出ていないということ。全然指標の目標の数値がよろしくない、こういうことが明らかになったのであります。これから、総合計画については5年のスパンであります。やっぱり担当部長とか、担当課長とか、そういう責任ある方々を従来どおり2年、3年でころころ代えても結果につながるはずはないではありませんか。 私は、これから5年スパンの中において総合計画をやるならば、これを実現できれば必ず長崎県はよくなっていくんだと。そういう固い信念の中で、私は知事に人事の面からもしっかり対応していただきたいと。このことをしっかりお願いしておきたいと思いますが、知事のご見解はいかがですか。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) ご指摘のとおり、計画は達成するべきものでありまして、具体的な成果を上げないと意味がないものであると考えております。そういった中、具体的な業務に取り組む体制づくりをどう進めるかということでありますけれども、やはり頑張った職員は頑張ったなりの評価を与えないとやる気が出てこないと思っております。(発言する者あり) そういった意味で、管理職中心に業績評価等も今進めているところでありまして、そうした成果等を職員のやる気に結びつけていくというのが一つあろうかと思います。 それからまた、より意欲を持って業務に取り組んでいくためには、具体的な成功の体験をやっぱり職員に味あわせる必要があると思います。そういう意味では、今、業務の実態を見ます時に非常にルーチンワークを抱え、多忙な毎日を送っておりますので、まさに議員ご指摘のように、県の職員はシンクタンクでありますので、(発言する者あり)もっともっと創造的な企画、具体的な政策をつくり上げ、それを推進していくような、そういう分野に実力を発揮してもらえるような環境を整える必要がある。そういった意味では、単純に2年、3年のローテーションではなくて、その分野についてある程度実績を上げる、そしてまた、それについて責任を負う。そして、その成果を自らの成果として達成感を味わう、そういうことができるような環境を整えていく必要があるものと考えておりますので、十分配慮してまいりたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) 時間がなくなってまいりました。考え方は知事と大体同じであります。あとは要するに実行あるのみ。ぜひひとつ4,500名のすばらしい頭脳を長崎県民の幸せのためにしっかり打ち出すことができるように、よろしく重ねてお願いをしておきたいと思います。 3、新幹線・空港を活かしたまちづくりについて。 長崎新幹線は、昭和48年11月、整備新幹線として建設が決定されていましたが、来今日まで実に39年間、幾多の変遷、幾多の紆余曲折がございましたが、よくぞ着工の2文字を勝ち取ることができたということ。さらに重ねて、諫早から長崎間の21キロメートル、これまた懸案でありましたが、これもほぼ見通しがついたということでございます。これまでの新幹線については、この着工の2文字を取るということが大事な我々の活動でございましたが、おかげさまで、こうして知事初め関係の県庁マン、それから多くの県民の方々、県議会、いろんな沿線の皆さん方、いろんな多くの方々のご尽力によって、ほぼ着工建設ということが決定を見たわけであります。 したがいまして、これからはどうするかというと、いかにして新幹線の効果を長崎県の発展に結び付けるか、いかにしてまちづくりをよいものとするかということ、ここのいわゆる1点に絞って考えていかなければいけないのだろうと思います。 そこで、(1) 新幹線開業に向けた街づくりの状況について。 今、県内において、長崎市、諫早市、大村市、この3つの市に新幹線の新駅ができるわけであります。そういたしますと、そのために新駅を中心としたいわゆるまちづくりをやっていくかと。そして、私どもが考えるのは、新幹線のまちづくりのよい効果を、ただその地域の沿線のみの発展にとどまることなく、長崎県全体の発展につなげていかなければいけない、それがまさに究極の目的ではないかというように思っているわけであります。 今、時間がありませんから、本来ならば答弁を求めるところも答弁を割愛しながら先に進みますけれども、(2)大村市の街づくりに対する県としての考えについて。 今から駅前の再開発の計画、いわゆる基本計画というものをつくらなければいけない。長崎市とか諫早市については、もう既にこの基本計画が策定をされて、これが既に公表されているところから考えれば、最も期待される我が大村市においては、まだその基本計画が策定されていないやに聞いておるわけであります。私は、そういうところについて大体あと2年間ぐらいかかって、それをやっていけばいいんではないかと思いますけれども、この基本計画の策定はただ単に大村市のみならず、県とか、あるいは設置主体の機構とかJRとか、また都市計画のそれなりの対価、そして一番大事なことは地元住民の方々を入れて、そうしてこの基本計画をつくっていかなければいけないということでございます。 そして、基本計画についても、やはり予算の限りとか財源の限りがある。この財源をどうやって確保していくかということがとても大事。これについては、県が積極的に主体的にひとつ関与していただきながら、必要なものにはきちんと出すべきものは出しながら、地域の発展、そして長崎県の発展につなげていく、このことを特にお願い申し上げたいと思うのであります。 (3) 長崎空港との連携について。 (4) 本県経済の活性化に対する新幹線、空港の活用方策について。 知事、私は長崎県にとって、この新幹線の導入というもの、新幹線が着工されるということ、これはすなわち長崎県にとってビッグチャンスであります。まさに先ほどから言っているように、本県の置かれた西の果てのいわゆるハンディ、いろんなハンディが長崎県にあります。そのハンディを乗り越えて、長崎県に効果をもたらす、まさに新幹線の効果は大であります。 そういたしますと、これから新幹線は大村駅にくる、諫早駅にくる、長崎駅にくるということになるけれども、我々の地元大村市は空港があるわけであります。いかにして、この新幹線と空港を連結させていくかということ。全国津々浦々眺めましても、これだけの交通網の2大アクセスの連結はないのであります。ですから、これを活かしきるか、活かしきらないかということ、これに長崎県の将来がかかっているのではないかというような考え方を私は持つのでありますが、空港と新幹線をどう連携させて、全国にないすばらしい交通網の拠点を生み出すかということ、これに長崎県の発展がかかっているということ、これに対してどうお考えですか。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) ご指摘のとおりであると思っております。 大村市は、全国の中でも例を見ないような、空港と新幹線駅、それに高速道路のインターチェンジが至近の距離にあるわけでありまして、これから大きな流動人口が見込まれるところでありまして、こうした動きをいかに県内の活性化に結び付けていくのか。あわせて、それぞれの地域の振興に結び付けていくのかというのは非常に大切な視点であろうと思っております。 例えば、海外から日本に入っていただいたお客様を新幹線に誘導をする。その際にやっぱり若干の滞留時間も生じてくるわけでありますので、周辺地域への観光のチャンス、拡大を含めて、まちづくり全体として取り組んでいく必要があるものと考えております。県も一緒になって、そうした計画の充実に向けて力を合わせて取り組んでまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。 ◆38番(小林克敏君) 知事、これについても具体的な話は出てこないんですね。これについても、誰が考えても新幹線と空港があるという状況の中でこれをどう活かすかという具体性がなかなか出てこないんですよ。 私は、かねてから言っているんですけれども、もう大体長崎県全体の発展というものを考えた時に、第1県都の長崎市は、大体こういう将来の見通しは立っているのじゃないかと。しかも、第2の県都の佐世保市においても、すこぶる発展を遂げられております。(発言する者あり)大体見通しが立ったんではないかという感じがするんです。 そうすると、この新幹線の駅の3つの中の2つは、諫早市、大村市、県央都市にできるんです。ですから、これから長崎県がしなければいけないのは、いかにして第3の都市、県央都市をつくるかということ。私は、ここはこれからの中村県政のまさに腕にかかっているのではないかというような考え方を持つわけですよ。 今、大村市というものをひとつ考えてみた時に、交通網の拠点、交通網の拠点と言われながら、結局は素通りをしているじゃありませんか。私ははっきり言って、これからの長崎県の発展は県央地区の発展、同時に大村市の発展なくして長崎県の発展はあり得ない。もう一度言いますが、大村市の発展なくして長崎県の発展は和え得ない。(拍手)これから新幹線の駅ができることによって、これくらいのインパクトをやっぱり兼ね備えていると思うんです。 今どれくらいの方々が大村市に来ているか調べてみました。県の新幹線・総合交通対策課にきちんと教えていただきました。今、JR大村駅の年間の利用者が180万人です。そして、新幹線の新駅ができた時に大体どれくらいの乗降客が考えられるかというと、150万人が見込まれるということであります。180万人と150万人、しかも空港があります。この空港の昨年度の乗降客は246万人、約250万人であります。かてて加えて、いわゆる高速道路のインターチェンジ、ここからの流動を考えれば優に600万人は超える、これがまさに大村市の現状であります。 しかしながら、こういう大村市の現状において、これだけのものが全然長崎県の発展のために貢献できないような仕組みになっている。これは長崎県にとっても、とてもマイナスじゃないかと私は思う。これからはまさに交通の拠点としての大村市、諫早市の活力が長崎県全体に広がる、そういう考え方に立つべきだと思うが、知事の見解を聞かせてもらいたい。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 新幹線の整備効果は、極めて大きなものがあります。例えば、鹿児島ルートの現状を考えます時に、鹿児島中央駅におり立つ旅客数は7割を超えて伸びていると。しかも、その効果が周辺地域の指宿でありますとか、50キロぐらい離れた地域にも数多くのお客様が入り込んでおられる。それを考えます時に、諫早市、大村市、これはまさに県の中央に位置する都市でありまして、島原半島、あるいは東彼杵地域の振興を図る上でも極めて重要な結節点になってくるわけであります。 したがいまして、これからはさらなるアクセスの向上、そのためにまたいろいろなビジネスチャンスも広がってくるだろうと思いますので、企業誘致への積極的な取組、住宅団地の開発、あるいはさまざまな観光、土産品の開発等取り組むべき課題は数多く存在していると考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 小林議員-38番。(発言する者あり) ◆38番(小林克敏君) 時間です。どうも議長、ありがとうございました。まだ言いたいんですが、時間です。(発言する者あり・拍手) ○議長(宮内雪夫君) 午前中の会議は、これにてとどめ、しばらく休憩いたします。 午後は、1時30分から再開いたします。     -午後零時13分 休憩----------------------     -午後1時32分 再開- ○議長(宮内雪夫君) 会議を再開いたします。 午前中に引き続き、一般質問を行います。 瀬川議員-28番。 ◆28番(瀬川光之君) (拍手)〔登壇〕自由民主党の瀬川光之でございます。 三笠宮寛仁親王殿下におかれましては、去る6月6日薨去され、昨日、斂葬の儀が執り行われました。 ここに哀悼の誠をささげ、心からご冥福をお祈り申し上げます。 ----------------------------- ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ----------------------------------------- --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- ----------------------------------- 1、県の重要施策における知事の見解について。 (1) 新幹線。 九州新幹線西九州ルートにつきましては、平成20年3月、武雄温泉-諫早間が認可をされ、現在、工事も順調に進んでいるところであります。残る諫早-長崎間についても、着工に向けた5条件をすべて満たし、近く認可が行われる予定と聞いております。 県民の願いといたしましては、全線フル規格による運行であり、新幹線効果をより高めるためにも、私も全線フル規格であるべきだと考えますが、全線フル規格による整備についての知事のお考えをお聞きいたします。 (2) 諫早湾干拓。 先般、農林水産大臣が郡司大臣となりました。諫早湾干拓事業の潮受堤防排水門の開門に向けた動きが高まってくるのではないかと懸念をし、そのような想定をしますが、今後、県としてどのように対応するのか、お尋ねをいたします。 (3) 石木ダム。 石木ダムの検証については、昨年の6月定例会における「石木ダム建設推進に関する決議」を踏まえ、昨年7月にダム事業を継続とする長崎県の対応方針を決定し、国へ報告され、去る6月11日には、国の有識者会議を踏まえ、補助金の交付を継続とする、国の対応方針が出されております。 一方、用地取得については、残る2割の地権者の方々の理解が得られていない状況である中で、ダム事業を推進するため、今後、残る地権者の方々との話し合いをどのように進めていくつもりなのか、改めてお聞きをいたします。 (4) 県庁舎建設(プロポーザルの結果、スケジュール、最終の予算)。 県庁舎の整備については、去る3月18日に開催されたプロポーザル審査委員会において、行政棟、議会棟などの設計者選定が行われ、結果として低層を提案した設計共同企業体が最優秀者となりました。 ところで、平成23年2月に県が策定した「県庁舎整備基本構想」では、庁舎の高さについて記載があり、庁舎の高さからは、周辺からの景観や眺望に配慮して計画することとし、行政棟をはじめとする各棟の延べ床面積と階数が示されています。 この中で行政棟の階数については、地上16階から18階建てと示されており、プロポーザルの審査結果として、6階建ての提案が選定されたことについて、高さが違いすぎるのではないかとの見方、意見もありますが、プロポーザルの審査会において、低層の提案が採用された理由を改めてお聞きいたします。 また、県庁舎の完成時期はいつごろを予定しているのか、さらに、今回、低層の庁舎が提案されたことで、建設費用が安くなる期待もありますが、県庁舎の総事業費は最終的にどのようになると見込んでいるのか、お聞きいたします。 (5) デフレ経済と増税政策と本県の影響について。 現在、国においては社会保障と税の一体改革における消費税の増税が議論されております。今後、増加が見込まれる社会保障関係費にどう対応するか、非常に重要な議論でありますが、一方で、現在の日本経済は、バブル崩壊後デフレ経済が長期化している大変厳しい状況です。 このような経済状況において、増税政策を講ずれば、経済への大変な影響があるのではないかと危惧いたしております。特に本県においては人口の減少も進み、経済・雇用環境は依然として厳しい状況にあることから、本県の経済・財政に大きな影響が出てくるのではないかと懸念するところでありますが、どのようにお考えか、見解を求めます。 (6) 主要道路整備について。 長崎自動車道の4車線化は、平成20年に一たん事業化が決定したものの執行停止、見合わせとなり、現在までに至っておりましたが、本年4月に4車線化の決定の報告を受けました。 しかしながら、今回の4車線化の決定は、全線11.3キロメートルのうち、長崎芒塚から長崎多良見間の8.3キロのみであり、なぜ残りのたった3キロが採択されなかったのかと遺憾に思っております。 今回の中途半端な4車線化の決定は、長崎県として憂うべきものであり、長崎市をはじめとする全県民が理解に苦しむ思いとともに、憤りを感じていると思っておりますが、県当局としてどのようなお考えをお持ちなのか、率直な意見をお聞かせ願います。 2、市町村合併後の交付税特例措置について。 (1) 市町村合併後10年間の算定特例の現状。 普通交付税の算定の特例、いわゆる合併算定替えについてでありますが、合併による行政経費の削減は、合併後直ちに削減できるものばかりではないことから、合併市町に対し、合併算定替えの制度により、通常の算定より多くの普通交付税が措置されているわけであります。 現在、合併市町の普通交付税が合併算定替えにより、どの程度算定されているのか、その現状についてお伺いをいたします。 (2) 10年後の課題に向けた考えと取組み。 合併市町は、合併算定替えと合併特例債など、財政上の優遇策により合併を進めてきたわけでありますが、合併と同時期にはじまった三位一体改革によって補助金や地方交付税が削減されてしまい、本来、合併市町が描いていたまちづくりが進んでいないのではないかと思っております。 また、合併算定替えは、合併を推進する上で効果的であったと考えますが、この措置も、合併後10年間を経過しますと、縮小してまいります。合併市町にとっては、非常に多くの財源となっており、合併算定替えが終了した後の財政運営が懸念されるのでありまして、合併算定替えの縮小を目の前に控え、今後、合併市町が取り組む課題と県の対応について伺います。 3、医療政策について。 (1) 離島医療と病院企業団との関わり。 全国一の離島県である本県において、離島医療を取り巻く環境はますます厳しくなっていることが想定されますが、今後どのように離島医療対策に取り組んでいくのか、また、その中で、病院企業団がどのような役割を果たしていくのか、お尋ねいたします。 また、この病院企業団にこれまで加入していなかった壱岐市において、昨年末、壱岐市長が加入表明をされましたが、県としてどのように対応していくのか、お尋ねいたします。 (2) 医師、看護師等医療従事者確保対策。 近年、離島のみならず、本土周辺部における医師、看護師等の不足が問題となっているところでありますが、こうした不足地域への医療従事者の確保対策について、県としてどのように取り組まれるのか、あわせてお伺いをいたします。 4、離島振興対策について。 (1) 離島振興法と国境離島振興法整備。 平成25年3月に期限が切れる離島振興法の改正・延長に向け、昨年9月、県議会と県、並びに関係2団体の4者で、「新たな離島振興法に関する意見書」を国に提出しております。 その中で、国境離島の置かれた厳しい現状を踏まえ、「国境離島への特別の支援策」についてもあわせて要望したところであります。 私は、限られた離島振興法の予算の中で、国境離島とその他の離島の、いわば予算の取り合いになることは好ましくないと考えており、国境離島に対する支援については、現在の離島振興法と切り離して別の法律で支援することが必要であると考えています。 現在、与野党間において、離島振興法の改正案について協議が行われ、衆議院に上程されている中で、国境離島の取り扱いはどのようになっているのか、また、県としてどのように認識をしているのか、お伺いをいたします。 (2) 本土、離島共通の公共交通機関利用可能制度の構築。 本土においは、バス・電車で共通して利用可能なスマートカードが普及しております。その普及ぐあいを踏まえると、本土と離島との間、または、離島地区内においても同様な共通カードにより、航路、航空路、離島バスなどの公共交通機関の利用ができれば利用者も便利であり、交流人口の拡大にもつながると考えます。その手段の一つとして、本土、離島間の共通カードをつくることができないか、提案をし、お尋ねをいたします。 5、農林漁業振興対策について。 (1) 農業者戸別所得補償制度と産地育成、土地改良事業など。 この農業者戸別所得補償制度は、その財源を無理やり捻出している状況であり、例えば、現在は米価が堅調に推移しておりますが、一たび米価が下落すれば、自動的に予算が膨らむことが避けられない制度であります。 マスコミの報道によると、現在、制度の見直しが行われているようであり、将来の財源を含めて、大きな課題を抱えた政策であると認識をいたしているところです。 県は、農業者戸別所得補償制度についてどのように評価しているのか、率直なお考えをお聞かせ願います。 (2) 沿岸漁業者と連携した取り締まりの体制。 漁業秩序の維持確立のためには、徹底した漁業取り締まりが必要不可欠であり、漁業関係者からは、県は漁業関係者との情報交換が不十分であるとの声があります。 県は、漁業取り締まりに関して、漁業関係者とどのような連携を取っているのか、また、今後、さらに漁業関係者との連携が必要ではないかと思っておりますが、県の考えをお尋ねいたします。 (3) 林業における生産計画と作業道、機械設備等の体制の整備。 我が国の森林・林業を再生する指針となる「森林・林業再生プラン」の策定を受け、本県における間伐等森林整備の基本的考え方及び木材の生産計画と木材生産コストの縮減の基盤整備、特に木材を出荷するための作業路網の整備計画や、高性能林業機械などの導入計画はどのようになっているのか、お伺いをいたします。 6、教育行政、警察行政について。 (1) 採用時にどのようなことを重要視するのか。 ここ数年、本県においても教職員や警察官の不祥事が発生しており、このことは県民の一人として、まことに残念でなりません。 また、行政側には、不祥事を起こさない、起こさせないための採用と研修のあり方を常に模索していただきたいと思いますが、毎年、筆記試験や面接、適性検査、論文などの採用試験を実施されている中、採用時に何を最重要視されているのか。 (2) 教育者としての人格や資質の向上。 採用後に人格や資質の向上を図るため、どのような研修に取り組まれているのか、あわせてお伺いします。 同様に、警察官においては、教職員と若干異なる部分もあろうかと思いますので、警察本部長には、警察ではどのような人材を欲しているのかをお尋ねいたします。 あわせまして、警察官採用試験時の面接官は、現状では、人事委員会と警察で行われているとお聞きいたしております。この面接官に民間人を入れることを提案したいと思いますが、率直なご意見をお聞かせ願います。 (3) 市町村合併や少子高齢化等によって、21合併市町の公立学校・小学校の統合、廃校の見通し。 市町村合併の効果も問われる中、少子化、過疎化による地域活力の低下は大きな問題であります。今後、さらに少子化が進むことにより、小規模校を多く抱えることとなる市町においては、教育効果等の側面から、適切な学校規模の維持は喫緊の課題であります。 適正な学校規模を維持するためには、学校の統廃合は方策の一つであり、やむにやまれぬものであると思いますが、各市町においてはどのような状況にあり、また、市町が学校の統廃合を進める上で、県として統廃合による教育効果をどのように考え、支援をされるのかをお尋ねいたします。 7、新たなコンベンション施設について。 (1) 先導的官民連携支援事業の採択を受けた今後のスケジュールなど。 県としても、一定の必要性は認めているものと思われます、今回の先導的官民連携支援事業の採択の問題でありますが、今後、建設是非についてどのように判断していくのか、また、建設するとした場合、どういったスケジュールで事業が進み、その過程でどのような課題があるのか、それぞれお示しください。 (2) 将来の管理運営体制の考え方。 新たなコンベンション施設の建設が実現したとしても、その後の運営がうまくいかなければ、負の財産になりかねません。私は、このような施設をつくるのであれば、民間の経営ノウハウを最大限に活用し、単に施設を維持管理するだけでなく、積極的な誘客、運営を行うべきと考えますが、建設後の管理運営体制について、現段階における県の見解をお聞かせください。 以上、壇上からの質問を終わり、必要に応じて、対面演壇席から質問をさせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 〔登壇〕瀬川議員のご質問にお答えをいたします。 まず、九州新幹線西九州ルートの全線フル規格による整備についてのお尋ねでございます。 九州新幹線西九州ルートにつきましては、昨年末の政府・与党確認事項において、武雄温泉-長崎間をフル規格により一体的に整備し、フリーゲージトレインを導入する方針が示されたところであります。 去る4月27日のJR九州の同意によりまして、着工5条件をすべて満たしましたことから、早期に認可をいただけるものと考えております。 全線をフル規格で整備すると、長崎-博多間の所要時間が1時間を切り、本県にとって大きな新幹線整備効果が期待できるところでありますが、新たな整備区間が佐賀県内であり、費用負担の問題もありますことから、将来的な課題ではないかと考えております。 今は、一日も早い武雄温泉-長崎間の着工認可をいただき、早期着手、整備に向けて全力を傾けてまいりたいと考えております。 次に、諫早湾干拓事業について、大臣の交代に伴って開門の動きが高まってくるけれども、県はどう対応するのかとのお尋ねでございます。 このたび就任されました郡司大臣は、平成22年諫早湾干拓事業検討委員会の座長として、有明海の再生への可能性を探るための開門調査を行うことが適当との報告を座長の判断として示されたところであります。 しかしながら、その報告では、「開門調査の実施については、環境影響評価を行った上で、万全の事前対策による地元関係者の理解を得ることを前提とされており、また、有明海の環境劣化の原因は、複合的な要因の結果であること、そしてまた、開門期間中も防災、農業経営が現状の水準を確保されなければならない」ということが示されているところであります。 今後、大臣に対しましては、現在の状況がそうしたさきの報告の際の基本的な状況にはいまだ至ってないということをしっかりと訴えてまいりますとともに、本県が改めて提出いたしました106項目の意見を踏まえた準備書の修正、開門準備の即刻中止と開門方針の白紙段階からの見直し、さらには、開門のための巨費は、有明海の真の再生対策に投入すべきことについて、強く訴えてまいりたいと考えております。 今後とも、県といたしましては、地元に重大な影響・被害を与える開門は、決して許されるものではなく、県議会、地元関係者の皆様方とも十分連携を取りながら、危機感を持ってしっかりと対応してまいりたいと考えております。 次に、石木ダムについてのお尋ねでございます。 石木ダムの検証につきましては、今月11日に、国は補助金交付を継続する対応方針を決定されたところであります。 このことは、県の検討結果を踏まえ、石木ダムの必要性について、国としても客観的な判断をしていただいたものと理解をしております。 石木ダム事業の早期実現のためには、地域の方々のご理解を得ることが、まず重要であり、今後ともあらゆる機会をとらえて話し合いができるよう、県、市町一体となって誠心誠意努力してまいりたいと考えております。 次に、デフレ経済の状況下における増税対策についてどう考えるのかとのお尋ねでございます。 持続的な物価下落が続くデフレの深刻化は、企業収益を圧迫し、雇用や所得の回復を遅らせ、実体経済の悪化につながるおそれがありますことから、仮にこのような景気状況の中で消費税の引き上げが実施されるとなれば、本県の経済や財政にも影響が及んでくることが懸念されるところであります。 そうした中、現在、国会に提出されている消費増税関連法案の附則には、消費税率の引き上げに当たっては、物価が持続的に下落する状況からの脱却及び経済の活性化に向けて、名目の経済成長率で3%程度を目指すための施策を講ずること、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め、所要の措置を講ずること等が明記されており、その是非について、現在、議論が行われているところであります。 持続可能な社会保障制度の構築に向けて、安定的な財源を確保するため、消費税の引き上げが検討されているということについては、一定理解できるところであります。 しかしながら、増税の実施時期については、まずは将来展望も含めた社会保障制度の全体像を国民の皆様にしっかりと説明をし、ご理解をいただくことが必要であり、あわせて、デフレ脱却や経済活性化に向けた対策を確実に講じながら、その時々の経済情勢を慎重に見極めた上で判断されるべきではなかろうかと考えているところであります。 次に、長崎自動車道の4車線化についてのお尋ねでございます。 長崎自動車道は、県内観光地へのアクセス道路でありますとともに、物資の輸送路としての役割も果たす極めて大切な道路でありますが、長崎インターから長崎多良見インター間が唯一暫定2車線で供用されております。 この区間の4車線化は、対面通行の解消による安全性や高速定時性の向上、事故による交通不能リスクの低減、さらには物流機能の向上など、非常に高い効果が期待されていることから、これまでも県議会と一体となって繰り返し国に対して4車線化を要望してまいりました。 今回、長崎芒塚インターから多良見インター間の8.3キロメートルの4車線化が決定されたことは、要望区間の大部分を占める大きな前進であったと考えております。 しかしながら、残りの3キロメートル区間についても、安全性を確保するためには、4車線化が必要であると考えておりますので、引き続き早期事業化がなされるよう、国に対して強く要望してまいりたいと考えております。 次に、離島振興法と国境離島法の整備の問題についてのお尋ねでございます。 この間、与野党間で協議が重ねられておりました離島振興法の改正・延長につきましては、本日、午前中に開催された政策担当者と実務者の合同会議において協議がなされまして、その後開催された衆議院国土交通委員会において可決されたとの情報を得たところであります。 また、早ければ、午後に衆議院本会議に上程され、本国会中における成立に向けて審議が進められると聞き及んでおりますが、本県が強く求めておりました国境離島に対する支援策については、「特に重要な役割を担う離島の保全及び振興に関する特別の措置について検討していくこと」という内容で、その附則に明記される模様であります。 多くの国境離島を有する本県といたしましては、国境離島に係る新たな法整備は不可欠であると考えており、今後とも、引き続き関係都道府県との連携を図りながら、特段の支援策を求めて国に強く働きかけてまいりたいと考えております。 残余のご質問につきましては、関係部局長からお答えをさせていただきます。 ○議長(宮内雪夫君) 総務部長。 ◎総務部長(池松誠二君) 県庁舎に係る設計プロポーザルの結果等についてのお尋ねでございます。 「県庁舎整備基本構想」では、コンパクトで低コストな庁舎、環境や景観への配慮、眺望の確保、周辺地域との調和等を基本方針とし、行政棟は標準的な庁舎を想定して、16階から18階建てとしておりました。 プロポーザルに当たりましては、この基本方針を踏まえ、おおむね16階から18階建てとしながらも、「圧迫感の軽減、眺望の確保等、周辺環境への格段の配慮を行う場合はこの限りでない」という条件で公募を行いました。 選定におきましては、低層化することで建設コストが低減されること、環境との共生などの未来志向を持った設計提案であること、さらに、提案者は十分な技術力やデザイン力を備えていることなどが高く評価されたところであります。 今後、来年11月末までに各棟の設計を終え、平成28年度の完成を目指しております。 総事業費につきましては、実施設計後に確定しますが、基本構想では、約338億円から約387億円と見込んでおり、今後、できる限り事業費の圧縮に努めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(宮内雪夫君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(永川重幸君) まず、普通交付税の合併算定替えの現状についてのお尋ねでございますが、普通交付税の算定の特例、いわゆる合併算定替えにつきましては、平成23年度の13市町の交付額合計で381億円となっており、1団体当たりの平均額は約29億円、多い団体では46億円を超える額が措置をされております。 また、県内で合併がスタートいたしました平成15年度以降の合併算定替えによる効果額は、13市町の累計で2,200億円と見込んでおります。これは、合併市町の普通交付税の交付総額の約18%にも及び、合併市町にとって欠かすことのできない財源であると認識しております。 次に、合併算定替え終了後の市町の財政運営についてのお尋ねでございます。 合併市町は、今後、特例期間の終了に伴い、合併算定替えの縮小を見据えた財政運営と一層の行革努力が求められてまいります。 県といたしましては、合併市町が合併効果を発現するためには、今後とも安定した財政基盤を維持できることが重要だと考えておりまして、現在、合併市町とともに研究会を立ち上げて、新たな交付税措置の創設に向けた検討を進めているところでございます。 今後、それらの結果を踏まえて合併市町と連携し、国に対し強く要望を行ってまいります。 次に、本土、離島間の共通カード、いわゆるバスカードで使っていますスマートカードのようなものでございますが、離島間の共通カードをつくることができないかとのお尋ねでございます。 本県におきましては、平成13年度から本土のバス会社8社、それと長崎電気軌道、さらには松浦鉄道に共通のIC乗車券でございます「長崎スマートカード」が導入されてきたところでございます。 議員ご指摘のように、このカードを県内のあらゆる交通機関で利用できるようになりますと、さらに便利になると思われます。 しかしながら、カードの導入には、多額の経費を要することから、事業者はカード導入による増収効果と維持費を含めた導入経費とのバランスを検討する必要があろうかと思います。 また、導入事業者が増えますと、それだけ料金決済の仕組みが複雑になりますので、既に導入済みの事業者の理解も必要になります。 県といたしましては、事業者からカードを導入したいとのご相談がございましたら、協力をしたいと考えております。 次に、新たなコンベンションの施設建設の是非をどう判断するのかと。また、建設する場合のスケジュールと課題はということでのお尋ねでございますが、これまで長崎市が主体となった検討作業に、長崎サミットのメンバーでございます県、そして経済団体、長崎大学が参加し、機能や規模、建設候補地などについて議論がなされてまいりました。 今回の補助事業も、市が実施する実現可能性調査に同じ体制で参加をし議論を進める予定であり、その中で投資効果や運営収支の評価、事業指標の検討などを行う予定となっております。 建設の是非につきましては、その検討結果を見て判断されるものと考えておりますが、建設するとした場合の長崎市におかれては、平成30年春の開業を目指すということにされております。 また、建設に向けた課題も、今回の調査で洗い出すことになりますが、現時点では建設資金の調達や地価負担の軽減などが想定され、今後、民間活力の導入も視野に入れながら対応が検討されるものというふうに考えております。 次に、新たなコンベンション施設の管理運営に関する県の見解はとのお尋ねでございます。 昨年来の市を中心としました検討作業におきまして、建設後の管理運営は、施設の維持管理と貸し床事業に加え、独自の催しを企画、開催したり、駐車場等の附帯施設を経営するなど、民間事業者が豊富なノウハウを活かして独立採算で行うことということを前提としております。 また、産学官一体の協議会を設け、施設管理者と連携したコンベンションの誘致や地域全体での受け入れ体制の強化などに取り組むことも必要と考えられ、今後、このような運営、誘客スキームの構築を目指し、地元経済界や有識者などと意見交換を行いながら検討が進められるものと考えております。 以上でございます。 ○議長(宮内雪夫君) 福祉保健部長。 ◎福祉保健部長(濱本磨毅穂君) 2点についてお答えいたします。 まず、今後の離島医療と病院企業団の役割、また、並びに壱岐市の病院企業団加入表明の対応についてのお尋ねですけれども、離島医療につきましては、医療提供体制確保のための中核として病院企業団を位置づけ、人口減少、高齢化への対応や医師確保のため、地域医療再生基金を活用して、入院機能の集約化による再編整備を進め、離島医療の質の維持、向上に努めております。 壱岐市民病院の病院企業団加入につきまして、市長から申し入れをいただいたところであり、現在、累積欠損金の整理、給与制度の見直し、福岡県内の大学からの医師派遣継続問題など資料をいただきながら、事務的な課題整理を行っている段階であります。 次に、医師、看護師等医療従事者の確保対策についてのお尋ねですが、県では、これまでの修学資金貸与制度や離島・へき地医療支援センターによる人材確保の取組に加え、現在、新・鳴滝塾構想関連事業として、研修医住居支援などの若手医師の確保対策や新人看護職員研修などの取組などに取り組んでいるところであります。 また、本年度は、ながさき地域医療人材支援センターを設置し、医師が大学や中核病院、地域病院を回りながら専門医取得が可能となるような体制整備を進めております。 さらに、地域医療再生基金を活用し、長崎大学病院、長崎医療センター、佐世保市立総合病院を全県の医療職を対象とした教育・研修の拠点として位置づけ、人材育成やキャリア開発に取り組むなど、今後とも医療従事者の確保・定着を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(宮内雪夫君) 農林部長。 ◎農林部長(上田裕司君) 農業者の戸別所得補償制度をどのように評価しているかとのお尋ねでございますが、同制度につきましては、平成23年度の制度全体の交付対象農家1万7,055戸に対しまして、総額35億6,000万円の交付金が支払われる見込みでございまして、農家経営の安定に一定寄与しているものと考えております。 しかしながら、現在の制度は、全国一律の単価設定で、地域の実情が反映されていないこと、制度導入に伴い、集出荷施設等の生産施設整備や基盤整備事業予算が大幅に削減されるなど、大きな課題があるものと認識しております。 このため、本県の実情に合った単価設定や生産基盤整備予算の確保を、国に対して強く働きかけを行っているところでございます。 次に、間伐等森林整備の基本的な考え方、木材の生産計画、作業路網、高性能機械の導入についてのお尋ねでございますが、森林整備の基本的な考え方につきましては、森林組合などにおきまして、小規模な森林を集約化し、作業道及び高性能林業機械を効率的に配置することで生産コストを縮減し、10年間で3万6,000ヘクタールの間伐を目指すこととしております。 作業道は、平成32年までに2,000キロメートルを、高性能林業機械は、現在の40台から53台へ増設する計画といたしております。 こうした取組により、平成32年の木材生産量は、現在の約2倍に当たります7万5,000立法メートルを目標とし、引き続き森林組合をはじめとした林業事業体や市町と一体となりまして、計画的な整備を進めてまいります。 ○議長(宮内雪夫君) 水産部長。 ◎水産部長(荒川敏久君) 漁業取り締まりに関して、漁業関係者とどのような連携を取っているのか、今後、さらなる連携が必要ではないのかとのお尋ねでございます。 県では、自警活動に取り組んでいる県内13海域の漁業関係者組織との連絡網を整備し、連携した取り締まりを実施させていただいているところでございます。 しかしながら、漁業関係者からは、今まで以上に情報収集に努め、取り締まり活動をさらに強化してもらいたいとの声を聞いているところでございます。 そこで、昨年度から、漁業取締室の捜査員が漁業者から直接聞き取りを行う浜回りを、まずは離島地区で実施いたしました。 今年度は、このような浜回りを本土地区にも拡大して実施することとし、よりきめ細やかな情報の収集を通じて、漁業者とのさらなる連携体制の充実を図ってまいります。 以上でございます。 ○議長(宮内雪夫君) 教育長。 ◎教育長(渡辺敏則君) 教育行政に関しまして3点ご質問がございましたが、まず、教員採用において重要視することは何かとのお尋ねでございますが、教育の採用に当たりましては、子どもたちを教え、導く者として、専門的な知識、技能とともに、使命感や子どもたちに深い愛情を持ち、子どもや保護者としっかり向き合える人材を確保したいと考えております。 そのため、特に、2次試験におきます個人面接では、教科の専門性や人間性、社会性、協調性など、教員としての資質、適性を正確に評価するため、面接官に民間企業の人事担当者も加え、昨年度からは、面接の回数を2回に拡大するなど、人物重視の選考に努めております。 次に、教員の人格や資質の向上のために、どのような研修に取り組んでいるかというお尋ねでございます。 本県では、採用後、経験年数や職務に応じまして研修を行っております。特に、採用5年目までの若手教員研修においては、社会貢献活動等を計画的に実施いたしまして、社会性の向上を図るとともに、10年経験者研修をはじめとする研修のすべての研修におきまして、服務規律に関する講義等を行っております。 また、学校においても、服務規律に関してグループでの討議、講話を聞くなど倫理観や使命感を高める研修等を行っております。 今後も、学校と一体となって研修内容のさらなる充実に努めてまいります。 次に、公立小中学校の統廃合の現状、その効果、及び県の支援についてのお尋ねでございますが、市町村合併がはじまった平成16年以降、小学校が413校から377校、中学校が198校から181校に減少いたしております。 学校を統廃合することで、一定の学級規模が保たれ、子ども同士の学び合いによる学習の活性化や切磋琢磨を通した社会性の育成等の教育効果があるというふうに考えております。 県では、市町の検討に際しての参考資料といたしまして、「公立小中学校の適正規模について」といったガイドラインを策定いたしまして市町へお示しするとともに、統廃合後の教育活動が円滑に行われますよう教員配置等の人的支援を行うほか、通学対策などの経費を助成いたしておるところでございます。 以上です。 ○議長(宮内雪夫君) 警察本部長。 ◎警察本部長(入谷誠君) 警察はどのような人材を欲しているかというお尋ねに対する回答でございますが、警察官は、犯罪やさまざまな災害の現場などにおきまして犯人を検挙したり、また、住民を救出するなどの各種困難な局面に立ち向かう業務でございます。 したがって、そのために必要な気力、体力、精神力や適切な判断力を持ち合わせていることが重要でございます。 そのため、県警では、自らの危険を顧みず治安を守るという強い正義感と、そのための能力を有する人材を求めておるところでございます。 次に、採用試験の面接官に民間の方を入れることについてどうであろうかというお尋ねでございます。 警察は、公共の安全と秩序の維持という責務を果たすために、犯罪捜査や交通の取り締まりといった、民間にはない、民間企業とは異なる業務をやっておるところでございます。 そのため、警察官採用試験では・・・。 ○議長(宮内雪夫君) 時間です。 ◎警察本部長(入谷誠君) 警察官が人事委員会と合同で面接試験を実施して、厳正かつ適切な立場で適性を見極めております。 ただいまのご意見、議員からのご提案につきましては、貴重なご意見として賜らせていただきたいと思います。 以上でございます。 ○議長(宮内雪夫君) 瀬川議員-28番。 ◆28番(瀬川光之君) 申しわけありませんが、答弁の最後の部分がちょっとわかりづらかったので、もう一回、採用をする時に民間の方を面接官に採用するというような提言に対してのところのみで結構ですから、もう一度、申しわけありませんが、お願いいたします。 ○議長(宮内雪夫君) 警察本部長。 ◎警察本部長(入谷誠君) 今、申し上げましたように、警察官の職務というのは、民間企業の業務とは大変異なっておりますので、採用試験では、警察官が人事委員会と合同で面接試験を実施しておるところでございます。 したがいまして、今後もこのような形で人材の確保に努めてさせていただきたい。 ただ、議員のご意見につきましては、貴重な提案として承らせていただきますということでございます。 ○議長(宮内雪夫君) 瀬川議員-28番。 ◆28番(瀬川光之君) ありがとうございます。 1番の主要道路整備について、私、質問する原稿をちょっと読み間違えておりました。大変申しわけないんですが、西彼杵道路の整備につきましては、今年度をもって小迎-大串間が完了するというふうに聞き及んでおるところでありますけれども、その後の西彼杵道路の整備について、現段階で、県としてはどのようなお考えをお持ちなのか、お聞かせ願いたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 西彼杵道路につきましては、長崎市と佐世保市の連携強化を図り、産業経済の発展に寄与するという大変重要な役割を果たす道路でありまして、ご指摘のとおり、今年度中の供用を目指して小迎バイパスの整備に力を注いでいるところであります。 残る区間の整備につきましては、これまで交通量や渋滞状況をもとに検討を行ってきたところでありますが、渋滞解消などの面を考えます時に、長崎側からの整備の方が効果が高いのではないかと考えているところであります。 今後は、この区間について、事業化に向けた都市計画決定等の手続を進めてまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 瀬川議員-28番。 ◆28番(瀬川光之君) それでは、改めて再質問をさせていただきます。 新幹線西九州ルートについてでありますが、知事からご答弁をいただきました。武雄、嬉野、そして諫早を経て長崎までの区間をとにかく着工、完成という運びにしたいというお気持ち、それはもう私も同様であります。 ただ、武雄から新鳥栖駅、あるいは博多までの区間をどうするのか、どうした方が最大限の効果を見込めるかというようなことを考えますと、これはやはりどなたもフル規格だという思いがあられるというふうに思いますし、フル規格にしないと、本当の意味での新幹線の効果は出てこないということはもうご承知のとおりだというふうに思います。 ただ、お話がありましたように、佐賀県の問題、当該地の費用負担の問題が、これはもう存在するわけでして、ここを避けては通れないというところも、また理解をするところであります。 ただし、このタイミングというものが、やはり一番重要なところになってくるのではないかと思いますし、今すぐに判断をしろというようなことをまた申し上げる気持ちもないわけですが、ただ、長崎県としては、いずれの時期かにフル規格ということを打ち出す必要性は、これは必ず将来出てくるわけでありまして、そういったことを考えると、そもそも国策による高速鉄道網の整備というものが、果たして自治体に負担を負わせる、その程度にもよりけりだと思いますが、そういったことも含めて、今後国に要望をしていくことも、また必要になってくるのではないかというふうに思うわけでして、そこら辺も含めて、このタイミング、あるいは費用負担というもの、そして佐賀県のご理解というものを含めて、総合的に改めて知事のお考えというものをお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) この九州新幹線西九州ルートにつきましては、全国の中の整備3線の中で厳しい競争の中で、お互いに全力で、認可が得られるよう取組を進めてきたところであります。 実を申しますと、今のスキームを前提に、今まさに認可に向けた手続が進められているところであり、まだ、認可が得られてない状況であります。 したがいまして、まずはその認可を得て着工するのが、当面の西九州ルートの最大の眼目、課題であると考えております。 その後に、佐賀県の皆様方の理解のもと、フル規格で進めたいということであれば、まだ整備期間が10年間あるわけでありますので、そうした点について議論が進められるということについては、我々も理解するところであります。 ○議長(宮内雪夫君) 瀬川議員-28番。 ◆28番(瀬川光之君) そういったところは、極めてお話からも推測、理解できるわけでして、政治的な判断というものに期待をするところでして、知事のこれからの行政手腕、政治手腕に期待を申し上げておきたいというふうに思っております。 次に、諫早湾干拓事業についてでありますけれども、この郡司大臣というのは、当時、平成22年当時の諫早湾干拓事業検討委員会の座長をされておった方だとお聞きいたしまして、開門に向けた力というものが強まってくるのではないかなと、そういった懸念もしておるところでありますけれども、ただ、これまで開門するということがどういうことかということを、基本的な面でなかなか理解はしていただいておるんでしょうけれども、実際の判断がそうではない状況で今まで推移をしてきたということから考えてみて、本来、その基本的な部分を郡司現大臣に、まずは理解をしていただくということ、これは政府施策要望等々もやられるわけですけれども、それとは別にやっていく必要があるのではないかと思っておるわけでして、やっておられるだろうと思いますけれども、ここら辺のところの基本的な部分について、どういった対応というものをされるべきかというところをお聞かせ願いたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 今般、郡司農林水産大臣が実現したところでありますけれども、実は、赤松農林水産大臣の時に副大臣をお務めでありまして、さきの検討委員会の座長をなさっておられた時に、私自身、何回も現地のご視察にも同行をさせていただき、また、この委員会の検討の場にも招かれまして、地元県として意見を申し述べさせていただきました。 この間、検討委員会のメンバーの方々、それぞれの地域から参加をされておりまして、開門に向けたお立場を主張される方々は大変多かった状況でございましたけれども、そうした中でも、非常に客観的に話をよく聞いていただける大臣ではないかと思っております。 さきの座長の報告に際しても、先ほどちょっと触れましたけれども、今の有明海の異変が諫早湾干拓事業だけではないんだと、例えば筑後大堰の建設、熊本新港、三池炭鉱の海底陥没埋め戻し、ノリの酸処理、そうした事柄も挙げながら、複合的な原因で今のような状況に至っているのではないかというようなことがしっかり触れられておりますし、また、開門によって農業、漁業に甚大な影響を及ぼしてはならないと、そういったことも明らかにされているわけでありまして、やはりいま一度、私どもが懸念する項目等をしっかりと訴えて、ご理解いただけるよう全力で取り組んでいかなければいけないと思っているところでございます。 ○議長(宮内雪夫君) 瀬川議員-28番。 ◆28番(瀬川光之君) 次に、県庁舎建設について、お伺いをいたします。 当初、地上16階から18階というように示されていたことから、6階建てというものが採択をされたということでありますけれども、総務部長に答弁をいただきましたが、それによって、これは建設費用がかなり圧縮できるのではないかといった想定がされるということですが、答弁は、「事業費の圧縮に努める」というような内容でありましたけれども、この6階建てを採択されたわけでありますから、その理由の中に、もちろん景観等々の総合的な判断はあったとしても、建設費用の問題についても、採択後の事後検証というか、採択後の判断の中にも建設費用というものはきちんと、やはり判断を再検証されるべき事柄じゃないかというふうに思うわけですよね。そういった意味からは、大体概算として、どれぐらいは見込めるんじゃないかと、事業費の圧縮というただ単にそういったことじゃなくて、どれぐらいは圧縮できるんじゃないかというような、そういった検証まではまだなされてないということですか。 ○議長(宮内雪夫君) 総務部長。 ◎総務部長(池松誠二君) まず、今回のプロポーザルにおいて低層棟の案が採択されたということでございますので、このプロポーザルはコンペでこざいませんので、6階ということではございません。いわゆる低層で建築するという案を採択したということでございますので、それが7階とか、8階とかになるかもしれませんが、そこは今、基本計画の中で練っているということです。 今回の採択の理由の中で、低コスト化が図れるというふうに審査委員の中で意見が出たのは、当然、16~18階建てよりも、仮に6階建てになった場合に、エレベーターの高さとか、いわゆる鉄骨の高さとか、そういうことも含めて、原則的にそうなるだろうということですので、370億円程度の事業費を見込んでおりますけれども、それが数字的に幾らということについては、先ほど申し上げたとおり、設計の中で出てくるということで、基本的に我々として、まだ、概略どうなるかということについても計算はしておりませんが、今申し上げたような考え方で採択をされたということでございます。 ○議長(宮内雪夫君) 瀬川議員-28番。 ◆28番(瀬川光之君) わかりました。 次に、合併市町の交付税の特例措置等々について再質問をさせていただきます。 13市町、長崎県内2,200億円、18%というような金額、あるいは数値を示されたわけでありますけれども、一基礎自治体29億円から46億円というような数字もまた示していただいたわけであります。これは期限が切れてしまうと、完全に元どおりになるといいますか、そういう状況になってしまうわけでありまして、これまで市町から、何とか期限を延長してほしい、あるいは段階的な緩和をもう少し先延ばししてほしい等々の要望が出されているんではないかなというふうに思いますし、やはりそういったことを勘案して、これから合併前の約束どおりやった時に、市町がこれまで合併したとはいえ、先ほど申しましたように、三位一体改革がそれに伴って行われてきたわけでして、思ったように合併効果が得られていないというのが24町村の共通した思い、意見ではないかなと思うわけですよね。そういうところを県として、21市町の意向というものをどういうふうに、今、受け止めていらっしゃいますか。 ○議長(宮内雪夫君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(永川重幸君) 今、議員からお話がございましたように、一番最初に合併いたしましたのが、平成16年の対馬市、壱岐市でございます。10年間という期間で考えますと、平成25年度がその10年間の期間に入る。そして、その翌年、平成26年度から平成30年度までの5カ年間が激変緩和で、これがまた、どんどん減っていくという形で、先ほど平均29億円というのがゼロになっていくという形になってまいります。 やはり市町におかれましては、かなり強い危機感を持っていらっしゃいます。そういったこともございまして、まずは、財政の担当者レベルからしっかりした分析をして、そして問題点を洗い出すということが必要だということになりまして、実は、昨年の12月から、この市町一緒に入って、県も入って研究会をはじめたところでございます。ここで市町のご意見を十分聞きながら、国等への要望も必要が出てくると思いますので、しっかりやってまいりたいと思っております。 ○議長(宮内雪夫君) 瀬川議員-28番。 ◆28番(瀬川光之君) もちろん、しっかりやっていただかないと困るわけですが、具体的に、やはり財政支援という観点から、交付金でいただく、あるいは算定替えのためのきちんとした金額を出して、それを国へ要望するというようなことばかりではなくて、何らかの県として一括で、例えば、先ほど離島の問題も申し上げましたが、全国一に離島を抱える長崎県として、特別なものというものを国に主張していく、あるいは離島ばかりではなくて、合併して減少した数値からいっても全国一に市町村は合併したわけでありますから、そういったところは、強く言える部分というのは、他の都道府県に比べて、ある意味、長崎県の特権としてあるのではないかと思うわけですよね。だから、県としてそこら辺の意思というものをどういうふうにお持ちなのかということを改めてお聞きいたしたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(永川重幸君) 長崎県が全国で一番合併が進んだといったことは、これはもう国の方にもしっかりとお話ができる話でございますし、国の方も評価していただいていると思っております。 ただ、合併をしますと、例えば離島が合併しますと、どうしてもそこに支所等の経費が必要になるとか、そういったことが必然的に出てまいりますし、合併をすることによって、いわゆる周辺部対策とか、あるいは集落維持対策だとか、そういったことが必要になってまいります。そういうところをしっかりとした形で訴えていかないといけないと思っておりますし、国の方もそういった方向で、今、検討会をはじめようかという動きもあるやに聞いておりますので、国とも連携をしっかり取らせていただいてやっていきたいというふうに思っております。 ○議長(宮内雪夫君) 瀬川議員-28番。 ◆28番(瀬川光之君) 最後に、農業者の戸別所得補償制度なんですが、長崎県が35億6,000万円と。これは、私は補償というものを100%否定するわけじゃないんですが、生産、集出荷場等々の施設に対して、交付金にシフトしてくれというような要望も必要かというふうに思っておるわけでして、その辺、要望にとどめたいと思います。 質問を終わります。 ○議長(宮内雪夫君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、2時40分から再開いたします。     -午後2時33分 休憩----------------------     -午後2時41分 再開- ○議長(宮内雪夫君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) (拍手)〔登壇〕皆さん、こんにちは。 少し空席がありますけれども、頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 自由民主党、雲仙市選出、徳永達也でございます。 質問に入ります前に、三笠宮寛仁親王殿下におかれましては、6月6日、薨去され、昨日ご葬儀が執り行われました。 まことに痛惜、哀悼の極みであり、心からご冥福をお祈り申し上げます。 質問通告に従い、一問一答方式で質問をさせていただきますので、知事及び関係理事者の簡潔明瞭な答弁をお願いいたします。 1、人口減少対策について。 (1) 人口減少による本県への影響について。 ご承知のとおり、我が国の人口は、今を去ること7年前の2005年、減少に転じたと見られております。 人口の減少と少子化に伴う高齢化の進展は、経済、産業、財政のあらゆる面において大きな影響を与えることになると予想されております。 産業面では、生産年齢人口の減少により、短期的には需要サイドに、長期的には供給サイドに影響があらわれ、財政面においても人口の減少、すなわち納税者数の減少による税収の減少が予想される一方で、社会保障支出の増大により、人口が減ったからといって歳出を減らすことは容易ではなく、将来の現役世代の負担増加が見込まれます。 このように、人口減少社会の欠点としては、購買力の低下、労働力の量的減少並びに物的低下、若者の減少による社会的活力の低下、高齢化の進行による貯蓄力の下降、消費水準が落ち込むことによる企業活動の停滞、社会保障をめぐる世代間の不公平感などが挙げられます。 そこで、お尋ねします。 本県人口が最高であった昭和35年の約170万人から、本年5月1日現在は141万人、18年後の2030年には115万人を割り、1925年ごろの人口規模になると予想されている長崎県において、この人口減少が本県においてどのような影響を与えることになるのか、お聞かせください。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 〔登壇〕徳永議員のご質問にお答えいたします。 議員ご指摘のとおり、一般的には人口減少に伴いまして、生産年齢人口の減による経済の縮小、そして悪循環、過疎化の進行による地域コミュニティの維持に問題が生じてくる、あるいは税収の減など、さまざまな分野においてマイナスの影響が想定されるところであります。 九州経済調査協会が行った人口推計によりますと、2010年を基準とした場合、2035年には本県の人口が約27%減少をするとされておりまして、そのうち本土の市町で25%減少、離島の市町では50%以上が減少をするという大変厳しい予測となっております。 このため社会減の抑制、子育ての支援、高齢者を中心とした医療等の充実、高齢者・女性の社会参画の促進、地域コミュニティの維持など、人口減少に伴って生じるさまざまな課題に適切に対処していくことが重要になってくるものと考えております。 特に、離島部におきましては、進学や就職により地域の将来を担うべき若者の県外への流出が著しく、このような傾向が続いてまいりますと地域社会の担い手が失われ、コミュニティを維持することができず、地域社会が成り立たなくなるのではないかとさえ危惧をしているところであります。 そういった意味では、離島振興対策を今後さらにしっかり取り組んでいく必要があるものと考えているところでございます。 以後のご質問につきましては、自席の方からお答えをさせていただきます。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) ありがとうございました。 (2) 人口減少社会を見据えた県の政策について。 ただいま、人口減少による本県への影響について答弁をいただいたわけですけれども、県としてもその影響をできる限りなくすために、人口増のための対策を打ってきたと思います。 しかしながら、数々の人口減少対策を打ってきている状況でありながら、人口減少が一向に止まらないという状況であります。これは紛れもない事実であります。 人口減少対策として、私はやはり雇用対策というものが一番重要ではないかと思いますけれども、先ほども渡辺議員、そしてまた、小林議員からもこの雇用対策等のことがありましたけれども、再度、この雇用に対する県の取組について、人口減少に合わせた中での対策をお願いをしたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 先ほど申し上げましたように、離島を中心にした若者の県外流出など、厳しい状況が続く本県の状況でありますけれども、この人口減少とその原因となる部分、経済・雇用情勢は、まさに表裏一体の関係にあるものと考えているところでありまして、まずはこの人口減少に少しでもブレーキをかけるためには、県内産業の振興を図って、雇用の場を創出していくということが最も大切ではなかろうかと考えているところであります。 したがいまして、これまでも取組を進めてまいりましたけれども、より積極的な企業の誘致、特に多くの雇用に結びついてまいります県内製造業の強化、さらには、地域の基幹産業でもあります農林水産業の振興、そして、アジアの活力を取り込むようなアジア・国際戦略のさらなる推進、交流人口の拡大を県内の雇用に結びつけるような観光関連産業の活性化等に、引き続き全力で取り組んでいかなければいけないと考えております。 また、そうした産業分野にあわせまして、例えばこれからの人材が必要になってまいります福祉・医療分野でのしっかりした人材の育成等にもあわせて力を注いでいかなければならないと思っております。 また、そうした取組を進める一方で、当面の緊急対策としては、これまでもご議論をいただいてまいりましたように、緊急雇用創出事業臨時特例基金等を活用した雇用・就業機会の創出、あるいは若者層の県内での就職を支援するためのさまざまな取組等、これも同時並行で進めてまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) 本当に知事、いろいろと対策をとられている、そしてまた、苦慮をされていることは私もわかります。 ただ、この人口減少は、もう努力だけではなく、自然的に減るということは事実であります。そういう中でも、県、また長崎県の自助努力だけではもう限界があるのではないのかなと、そういうことも私は思うんですけれども、例えば、このことは国の政策にとっても一番重要なことであります。 国においては、2006年をピークに、2010年の1億2,712万人が2030年には1億1,522万人、2050年には9,515万人、生産年齢人口も2010年の8,193万人から、2050年には4,930万人というデータが出ております。 そういう中で、やはり私は国の方にもしっかりとしたやりよう、政策というものを地方から発しなければ、ななかなかこれは難しい問題だと思いますし、そしてまた、いわゆる一極集中を地方の方に分散をして均等ある国家をつくるということが私は大きな問題ではないかと思いますけれど、その辺は知事はどういうご見解でしょうか。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 人口減少は、特に本県、その中でも離島地域を中心に大変深刻な状況でありますが、日本全体の大きな流れでもあります。 そうした中で、やはり人口減少に歯止めをかけ、活力を維持していくためには、子育て環境の整備を含めた国策としてのさまざまな取組が必要であると考えております。 そういった中、国の方でも子育て環境の整備等について検討が重ねられ、さまざまな施策が打ち出されているわけでありますけれども、例えばフランス等の例を見ると、この子育て環境の整備について一定成果が上がっておりまして、人口が増加傾向で推移しつつあるということもありますので、そうした子どもを産み育てる環境の整備を含めて、あるいは経済的な負担軽減を含めて、国策としてやはりしっかり取り組んでいただく必要があるものと考えておりますので、さまざまな機会をとらえて、そういった要請は国に届けてまいりたいと思っております。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) 国へもそういった要望でお願いをしたいと思っております。 もう一つ、先ほどもありました離島、一番本県にとっては離島の人口減、流出というものが大変大きな要因になっております。 そういう中で、本県の離島は、国境離島という側面も持っており、いろんな面で国家的な役割を果たしておりますので、そういう中で離島の人口の減少を食い止めるには、やはり国境離島という位置づけで、またこれも国に対しての施策要望というものはないのか。そしてまた、どういったことを国に期待をするのか。その辺はどうなんでしょうか。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 離島地域の人口減少対策でありますけれども、これまでも県議会の皆様方のお力添えも賜りながら、今、改正・延長時期を迎えております離島振興法について、これまでにないような思い切った支援施策を講じていただきたいということで意見書を提出し、さまざまな内容を盛り込んでいただいているところでございます。 先ほどご報告をさせていただきましたように、早ければ今国会での審議がなされるということでありますので、早期実現を目指してまいらなければいけないと思っております。 この改正離島振興法の中には、いわゆるソフト事業を推進するための財源として一括交付金等が創設をされておりますし、また、離島ならではの課題であります流通コスト対策、あるいはガソリンの低廉化の問題、あるいは教育環境の整備、さまざまな観点からの施策の必要性等も触れられているところでありますが、今ご指摘がありましたように、本県独自の課題であります国境離島、これはまた離島振興法と異なる観点での支援施策の拡充が極めて重要であろうと考えているところであります。 これはまだ改正離島振興法が先に進んでおりますので、それと同時並行というのはなかなか難しいところがありますけれども、一刻も早く改正離島振興法の成立を見て、その次のステップとしては、国境離島新法の制定に向けて全力で取り組んでいかなければいけないと考えております。 国境離島は、もう申すまでもなく、その隔絶性は内海離島と比べると大きな格差が存在しているわけでありますので、内海離島と同じに議論することは適切ではないのではなかろうかと。また、それだけの国家的な使命を担っている離島でありますので、さまざまな施策の充実について働きかけてまいりたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) この人口減少対策、本当に難しい問題であります。努力できるところで自助努力、そしてまた、どうしても努力できない、先ほどのいろんな要因、そういうところをしっかりメリット、デメリット、整理していただいて、しっかりとした対策を打っていただきたいと思います。 そういう中で、行政は、今後、消費市場の縮小や税収の落ち込みによる縮小再生型社会というものに備えた施策に知恵を絞ることが必要ではないかと言われております。この人口減というのはもう一つの流れであり、なかなかこれを増やすということは難しい。そういう中ではしっかりとした行政の責任を果たしていただきたいと、そう私は思っております。 2、平成の大合併の検証について。 (1) 合併の効果・問題点等について。 このたびの合併は、明治、昭和に続く3度目の合併として、全国的に市町村合併が進められてきたわけであります。本県は、79市町村から21市町と減少率73.4%、全国1位の合併推進県となったわけであります。 そこで、まず、合併を行ったことによる効果、そしてまた、問題点についてどのようにお考えか、お伺いします。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 合併市町では、その規模の拡大に伴いまして、行政組織の高度化、あるいは専門職員の配置、そしてまた、人件費の削減や行政のスリム化による効率的な行政運営によりまして、その基盤の強化が図られたものと考えているところであります。 また、合併特例債を活用した公共施設の整備やさまざまな特産品のブランド化、あるいは広域的な連携による観光振興など、地域資源を活用した産業振興などにもその具体的な取組の成果が見られつつあるのではないかと考えているところであります。 しかしながら、その一方で最大の問題と考えておりますのは、こうした合併とほぼ同時並行で進められました三位一体改革によりまして、交付税が大幅に削減されました。そのことに伴って非常に厳しい行財政運営を余儀なくされまして、本来であれば住民の方々にその合併効果として還元できたものが、そういったことで実感をしていただけるような状況になってなかったというのが非常に大きな問題として今日に至っているのではなかろうかと考えているところであります。 そうしたことで、さきに合併効果研究会が実施いたしましたアンケートによりましても、「周辺部が寂れてしまった」と、あるいはまた、「行政が少し遠くなった」というような声も聞かれることになっているのではないかと考えているところであります。 合併を選択された市町の将来の活性化に向けて、さらに県といたしましても人事交流の拡大等を含めて、しっかり支援してまいりたいと考えております。
    ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) 今、知事がおっしゃったように、合併と同時に三位一体という改革で地方財政が非常に悪化する結果となったわけですね。 そういう中で、要するに合併をしたところよりも合併をしなかった自治体がよかったと、そういうことも言われております。 そういう中で、本県は、日本一の合併率を誇って、そしてまた、これはある意味、国のためにも財政難の中に皮肉にも貢献をした結果がこういった状況になっているというのが現状であります。 そこで、今、そういう中でもこの合併特例債、これはやはり活用をしていかなければならないわけですけれども、ただ、この合併特例債の活用が余り活用されてないと聞いておりますけれども、今、この活用状況はどういうものなのか、お聞きをしたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(永川重幸君) 本県の合併市町における合併特例債の活用状況につきましては、平成23年度末において約50%にとどまっております。 議員ご承知のとおり、合併特例債の発行期限については、今国会におきまして発行期限を5年間延長する法案が審議されておりまして、法案が成立すれば今後の活用に大きな効果があるというふうに考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) しかし、これがなかなか、どうなんですかね。要するに問題は、今私が聞いている中では、活用するにも特にハード面、たしか起債をしても95%の30%が持ち出しになるわけですね。もう一つは、いろいろとつくった後の施設の維持管理費もかかるということで、なかなか自治体が腰をあげにくいということも聞いておりますけれども、そのところはどうなっておりますか。それにあわせて、また違う意見があればお聞きしたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(永川重幸君) 今、議員からお話がございましたように、起債を起こしましても負担が出てくるとか、維持管理に経費が出てくるとか、そういった面はございますので、そういうところで慎重になっている面、それもございます。あるいは、今、起債の制度でまだ対象になっていない経費などもございますので、使いにくいといった面もあるわけでございます。例えば、余剰施設の解体経費などについてもこの起債が使えないというようなことがございますので、そういったところにつきましてはさらなる弾力的な運用というものについても検討をしていきたい、ご相談をしていきたいというふうに考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) 合併は貢献をして、そして、その特例債は使っていいと言われながら、なかなか使えないと。何のために合併したのかなというのが、これはもう皆さんの気持ちじゃなかろうかと、だまされたと言われても、(発言する者あり)ですね。 そういう中で、あるレポートに、合併した効果というのが、1万人以下の自治体の合併が多いものですから、そういう中で1兆8,000億円の効果だと。これは財政計画の中の誤差にしかすぎないというレポートもありました。 この合併というのが、本当に総務省が言うような効果があったのかといえば疑問なんだという声もありますけれども、その辺はどう認識をされておりますか。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 当初、平成の合併の動きがはじまって、その必要性について議論がなされている時に、従前の小規模自治体と中規模、大規模自治体、それぞれ行政効率が異なる分がある。 これまでの交付税措置では、小規模自治体ほど行政効率が悪い、悪い部分をしっかりと交付税制度で支えてきたと。そういう状況をなくしていこうという国の大きな方針が示されたわけでありまして、基礎自治体はやはり地域でできることはしっかり担っていただく。そのためには合併で行財政基盤をもっと強固にしなければいけないという考え方のもと、合併が推進されて今日の状況に至ったわけであります。 ところが、そういった中で、いざ合併が終わってしまいますと、小規模自治体もしっかり生き残れているではないかというようなお話があるのも事実であります。 したがって、合併を推進した自治体においては、一定期間は合併算定替という特例の算定方式が許されておりますが、これが本則になってしまいますと、行政規模が効率化が図られますので、交付税はそれだけ交付されなくなってきます。 それでは少しおかしいのではないかという声が今挙がっておりまして、総務省でもそうした事態をとらえて、いま一度、交付税の算定方式を見直す必要があるのではないかなという議論が進められているところであります。 今、議員ご指摘のとおり、合併特例債というのは推進の一つの支援策として設けられたところでありますけれども、同時並行で三位一体改革が続けられ、県におきましては500億円交付税が削られた。市町村においてもほぼ同規模でありました。 そうしますと、起債を発行して裏負担が本当にできるかどうか心配だから、合併特例債は安心して活用できないと、こういった事態は何としてもやっぱり避けていかなければいけない。 そういった実情等を踏まえて、交付税の算定方式等についても国に申し上げるべきところはしっかり申し上げていかなければいけないと考えているところでございます。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) (2) 合併市町村に対する財政支援等今後の対策について。 今、知事がおっしゃったとおりだと思いますけども、ただ、この合併をした市町の今からの問題というのは、例えば合併特例債にしても、前半はその市町をどうやってつくるかということですよね。後半は合併算定替の準備、そしてまた、その後、交付税を減額される中においての市町をどう運営していくかということになっているわけでありますから、今回の市町会においても、しっかりとこれは国会議員にも要望され、そして支援を要望されているとお聞きをしております。 ここは県も推進をした張本人でありますから、しっかりと市町の意見を酌み上げて、しっかり国へ要望していただきたいと思います。特に、そろそろ合併算定替がはじまります。9割、7割、5割、3割、1割で5年でなくなります。そういう中で、このこともしっかりと国の方に要望していただきたいと思っておりますので、(発言する者あり)知事、そのことも最後にちょっとご意見をお願いしたいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 先ほどお答えをしたように、合併後の状況は大変厳しい状況にあるものと私どもも考えております。 これはまさに国の財政と地方の財政の綱引きの中で、その年、その年の地方財政計画が定まり、交付税の総額が固まってくるわけでありますけれども、なかなかに臨時特例的な措置を講じないと総額が確保できないという厳しい状況に直面をいたしております。 そういった中、今、消費税の引き上げ等についてのご議論が進められているところでありますけれども、私ども地方としては、そうした痛みを乗り越えて今に至っているわけでありますので、安定した財源の確保、これはもう欠かせない基盤でありますので、引き続き県としても積極的に市町の意向を踏まえながら取り組んでまいりたいと思っております。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) しっかりと国への要望、そしてまた、意見をお願いしたいと思っております。 3、公共施設の防災対策について。 (1) 公共施設の老朽化に伴う安全対策。 我が国のインフラ整備は、高度成長時期の1960年から1970年代に一斉に進み、50年経た今日、日本全国に至るところで公共施設の老朽化が顕在しはじめ、その対応が問題になっているところであります。 本県においても、そうした公共施設の老朽化に伴う安全性の低下は、県民にとって安全・安心の暮らしを脅かす喫緊の課題であるのではないかと認識をしています。 そこで、国は、今、全国におけるインフラの維持更新費は40年で約570兆円に上るという試算を出されております。 そこでお聞きしますけれども、我が長崎県ではどれだけの資産があるのか。また、資産管理をどうしているのか。まずお尋ねをしたいと思っております。 ○議長(宮内雪夫君) 土木部長。 ◎土木部長(村井禎美君) 県が管理する公共施設の現状についてのお尋ねでございますが、現在、県が管理する施設は、道路関係では、橋梁2,060キロ、トンネル126本。港湾関係では、防波堤54キロ、岸壁183キロなどがあり、その他、ダム、河川、海岸、公園、公営住宅など、数多くの公共施設を抱えており、これらの施設を良好な状態で維持し、長期に活用していくことが管理者の責務であると考えてございます。 そのため県では、公共施設を計画的、効率的に管理するアセットマネジメントの考えを導入した「公共土木施設維持管理基本方針」を平成18年度に示し、全国に先駆けまして、各施設の長期的な維持管理計画を策定しております。 県においては、各施設の維持管理計画に基づき維持補修を着実に実施しているところですが、概ね10年間に必要な経費は、計画策定済みの維持補修費用だけで800億円を超える多額の経費が見込まれているところでございます。 厳しい財政状況ではございますが、県民の安全・安心を確保するため、国の交付金を積極的に活用するとともに、県単独予算も効果的に充当しながら必要な予算を確保してまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) 10年で800億円ですか、そういう試算があり、また、そういうスケジュールでいくということですけれども、大体いつぐらいからはじめるのか、それとも今もうはじめているのか、その辺どうなんですか。 ○議長(宮内雪夫君) 土木部長。 ◎土木部長(村井禎美君) 先ほどお答えしましたとおり、「公共土木施設維持管理基本方針」というものを平成18年度につくりました。これは全体に関する方針でございまして、それぞれの、例えば橋梁でありますとか、そういったものに対する維持管理計画を順次つくっておりまして、既に橋梁でありますとか、あるいは港湾の構造物でありますとか、そういったものにつきましては計画的な維持補修をはじめているところでございます。 以上でございます。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) わかりました。 ただ、今回の東日本大震災が一つの大きな契機になっているわけでありますけれども、公共施設の老朽化というものは800億円以上のものがあるのではないかと、私はそう思っております。 (2) 防災(事前防災・減災)対策と整備について。 特に、我が県は急傾斜地、そしてまた、海に囲まれた県でありますから、他県に比べれば非常に大きな災害予算、そしてまた、維持費がかかるというのは、それだけの構造物があるということ、そしてまた、海岸線も長いという中でありますから、次の質問項目の防災対策と整備についても兼ねあわせて質問いたしたいと思いますけれども、そういう中で今言われたスケジュール等でいけば、安心した対策をとれるものなのか、その点はどうですか。 ○議長(宮内雪夫君) 土木部長。 ◎土木部長(村井禎美君) 今後の防災対策も含めてのご質問かと思いますけれど、先ほどご答弁いたしました800億円云々という数字は、現在ある施設を適切に維持管理していくために考えている費用でございます。 ご指摘のとおり、本県は非常に長い海岸線を有する、あるいは長崎大水害や雲仙・普賢岳噴火災害などに象徴されますように、非常に災害県であるということもあり、そういった意味での防災対策がまだまだ遅れているところでございます。そういったことも一緒に推進していかなければならない状況であるというところでございます。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) もう一度しっかりと公共施設に関するそういった試算をしていただいて、そして、今一番心配な防災が、これは大きな要因でありますから、そこはもう一度しっかり試算を立て直し、そしてまた、スケジュールをつくらなければ我々県民は安心できないのかなと、そう思っております。 よく言われているのが、この問題点で特に私がびっくりしたのは、行政が、80%の自治体がインフラ試算の老朽化を把握していないと。そしてまた、30%の自治体がその老朽化の実態を住民に知らせなくてもよいと考えているというようなことが書かれておりました。これは私もびっくりしまして、これは東日本大震災前の感覚ではないのかなと思っております。これが実際そうであれば大変なことになるわけです。 そしてまた、さっき言われた試算が本当にそうなのかということもまた疑問が出ますから、ここはしっかりと県民に周知をし、そしてまた、災害というのは住民、県民との共同作業だと私は思いますし、ソフト事業もあります。そういう意味ではしっかりとした対策を打っていただきたいと、そう思っております。 次に進みたいと思います。 4、工業団地整備について。 昨年の東日本大震災以降、企業がリスク分散のため生産拠点を西日本地域へ新たに設置する動きが出ています。県からもそのようなリスク分散を考えている企業に対し、昨年度、産業振興財団が集中訪問をしたとも聞いております。 しかしながら、本県には、その企業の受け皿となる工業団地が少ないというのが現実であります。もともと長崎県は交通アクセスの関係から企業誘致に関して大変不利な状況にあり、その上、他県に比べ、大規模な工業団地も持たず、その結果として大きな雇用にもつながっていないということが言われております。 そこで、長崎県にも大規模な工業団地をつくるべきではないかなと思っておりますけれども、まず質問したいと思いますのは、現在の本県の分譲できる工業団地の状況について、そしてまた、今後の新規造成の計画について、お伺いします。 ○議長(宮内雪夫君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(山田伸裕君) 現在、整備済みの工業団地は、県下全体で36.5ヘクタールとなっております。また、現在、整備中の工業団地は4カ所の30.8ヘクタールということになっておりまして、この新規整備中のものにつきましては、平成24年度末、あるいは平成25年度当初あたりから分譲が可能となることで整備を進めているところでございます。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) 先ほど私は産業振興財団の話をしましたけれども、この産業振興財団が今営業をされているわけですね。 そういう中でお聞きしたいのは、今、営業されている中で非常に苦慮されているというのが面積の狭さと言われております。そういう中で、今そういった営業をする中で長崎県は他県と比べてマイナス点が多いと言われておりますけれども、その辺の状況はどういう報告を受けておられますか。 ○議長(宮内雪夫君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(山田伸裕君) まず、本県におきましては、広い土地が少ないということですとか、水が少ないということなどが挙げられると思います。さらに、現在、手持ちの工業団地が、私は先ほど36.5ヘクタールと申し上げましたけれども、その中でも近年、企業が求めております内陸型の工業団地と申しますものが36.5ヘクタールのうちの5.8ヘクタールしかないということで、企業が求めておられる内陸型の工業団地の手持ちが少ないということも大変厳しいネックとなっているというふうに聞いております。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) ここに資料がありますが、県産業振興財団は、今、本県の地震リスクの少なさをPRし、営業攻撃をかけていると、しかし、そこに必要不可欠な武器となる工業団地が足りない。県の6月時点での調べでは、先ほど言われた状況ですね。しかし、九州の他県では大体100ヘクタール以上、平均して持っていると。特に、福岡県は300ヘクタールを筆頭に、すべて100ヘクタールを超える土地を持っている。佐賀県では昨年の10月ですけれども、武雄市の高速道路インターから車でわずか2分の場所に18.7ヘクタールの工業団地を分譲開始し、それと、2012年度中に3カ所、計58ヘクタールが完成すると言われております。 我が長崎県は、先ほど言われたとおりですけれども、このほかに問題点は、狭さ、分譲価格の割高さ、高圧電線がない点など、売れ残る理由があるという見解をされております。 そして、そこで県は市町の提案の中から山林など3~4カ所に適地を絞り、整備着手順位を決めているということもありますし、また、「別に公有地の再調査にも着手し」とありますけれど、この説明についてお聞きしたいと思います。どういうところを今から整備するのか。「山林など3~4カ所適地を絞り」とありますけれども、これはどういう状況なのか、まずお聞きします。そしてまた、「別に公有地の再調査にも着手」とあるわけですけれども、この状況についてもお聞きします。 ○議長(宮内雪夫君) 産業労働部長。 ◎産業労働部長(山田伸裕君) 県では、工業団地の造成候補地を検討するに当たりまして有識者会議を設置して候補地の絞り込みを行っているところでございます。 昨年度、開催をいたしまして、例えば西海市のある土地ですとか、諫早市の土地ですとか、10カ所程度に及ぶ候補地について議論を進めたということで聞いておりまして、そういう候補地の中から企業が求める条件により近いものについて、市町を中心に、県が支援して整備を進めていくという段取りになっているというふうに聞いております。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) 答弁も大変苦しいようですね。 (1) 臨海型工業団地整備について。 そこで、私の今回のこの質問の趣旨ですけれども、私の地元の雲仙市には多比良埋立地があります。ここは雲仙・普賢岳から発生する土砂処分地として整備された土地でありますけれども、ここは今14ヘクタールが埋め立てられております。ここは今度の国体で馬術競技の会場にもなりますけれども、あと15ヘクタールを造成すれば29ヘクタールの広大な敷地が誕生するわけであります。雲仙市も平成20年度から、毎年、県に対しての施策要望の中で工業団地としての、そしてまた、企業誘致の要望をされております。この土地があるわけです。今から新しい土地を見つけて、そてまた造成していかなければならないとなれば経費もかかるし、経済的な問題、そしてまた、時間的な問題もあるわけですから、さっき言った公有地の再調査の中に入っているのかなと私は思いましたけれども、それも入っていない状況ですね。 だから、こういった土地もあるわけですから、産業振興財団が営業を一生懸命しながら、そういう中で長崎県の不利がある中で営業に苦労されているわけですから、この土地を活用するというような考えはないのか、知事、その辺はどうですか。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 先ほど、担当部長の方からお答えをさせていただきましたように、臨海型の土地というのは30ヘクタール、既にあるわけでありまして、多比良港を活用するとした場合に、まさに海を埋め立てた土地でありまして、内陸型の企業の立地にはなかなかそぐいにくいということがあるものと考えております。そしてまた、臨海型の団地となりますと、船が横づけしてさまざまな製品をそのまま海を使って持ち出すことができる、そういった機能の整備が求められているところであります。 現在、東日本大震災を踏まえ、産業振興財団では1,000社を超える企業訪問を行って、その動向調査、長崎県はこういった受け皿がありますというお話をしていただいているところでありますけれども、今日、臨海型の団地というのはなかなか難しい状況にあるのではなかろうかと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) 確かに知事の説明ではそうかもしれませんけれども、ただ、企業によっては臨海型の工業団地を必要とするところもあるわけです。私は、そのことがあったものですから、あえて質問したわけです。 というのは、陸上輸送では難しい工業製品というのがあるわけです。そうした場合に、ある企業の社長から私がお伺いしたのは、この不景気の時に海上輸送の確保ができないものですから、というよりも、自分の工場が陸上輸送しかできないことから仕事をキャンセルしているんだと。それで、その社長がいろいろと自分なりに県内を回った中で、多比良港というところがすばらしいということも聞いたものですから、私もそれまではなかなかそういった考えが浮かばなかったんですけれども、この経営者の話をお聞きして、ああそうかと、陸上輸送だけではなくて、海上輸送を必要とされる企業があるということの認識があったわけです。 そういったところも、もっといろんな企業の経営者から話を聞いて、そして、その企業がどういったものをつくっているのかということも調査をすれば、おのずから、大手の例えば自動車メーカーとか、そういうのがいわゆる臨海型の企業と言われますけれども、そうではなくて、先ほど私が話をしたような経営者、そしてまた、そういう工場もあるわけですね。そこを今後しっかり調査をしていただいて、現に29ヘクタール、そしてまた、知事の出身地である堂崎港が22ヘクタールということを聞いております。特に、島原半島は陸の孤島と言われております。非常に優秀な高校生もおりますけれども、雇用がないがために県外に流出しております。そしてまた、人口減少の大きな要因になっております。 先ほど、小林議員に対する答弁にもありましたように、県民所得の向上を目指す中で製造業を誘致し、しかし、これには立地条件等があるからなかなか難しいと言われましたけれども、しかし、そういった企業もあるということを認識していただいて、今後、工業団地のあり方も再検討する必要があるのではないかと私は思いますけれども、どうでしょうか。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) そうした港を活用した臨海型の立地可能性がある企業についてお話を頂戴しましたけれども、ぜひご紹介をいただければと思います。(発言する者あり) 今、既に多比良港の埋立地は存在しているわけでありますので、そうしたお話があれば、そうした目的のもと、埋立地造成、そしてまた、その使用目的を変えていくということは可能であろうと思います。 現在、先ほども申し上げましたけれども、臨海型の、例えば神の島を含めて30ヘクタール程度の土地は既にあるわけでありますので、そうした可能性も含めて、先ほど申し上げたように、1,000社を超える企業との話をした結果、今、努力をしているところであります。ぜひそうしたた可能性があれば模索してまいりたいと思います。(発言する者あり) ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) 私は営業マンとして頑張ってまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。 ただ、多比良港の対岸は熊本県、福岡県、長洲港、この横には長洲の工業団地がありまして、結構な企業があります。現に有明フェリーを使って年間2万人、3万人の方が通勤されております。 こういった対岸の長洲とか大牟田等と連携がとれる地の利があると私は思うんです。もう一度考えてもらいたいのは、長崎市の目線ではなくて、特に知事は島原半島の、有明海の内側のご出身ですから、そこから対岸をぱっと見た時に、夜なんかは特に光が見えるわけですね。あそこには長崎県と変わらない150万人ぐらいの人口があるわけです。そういったところとの連携もひとつ視野に入れていただいて、この多比良港埋立地、そしてまた、知事の地元である堂崎港の埋立地を今後活用していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。何かありますでしょうか。(発言する者あり) ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 私が今まで申し上げたのは一般的な臨海型工業団地の現状等についてお話をしたところでありまして、個別の話というのは、これはそれぞれの立地環境によって優位性というのは本当にはかり知れないものがあると思っております。今、ご指摘の視点については、例えば、対馬などでもそういった話を直接ちょうだいした経過もありました。あらゆる可能性に向けて対応していかなければいけないと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) よろしくお願いしたいと思います。 5、地域交通対策について。 (1) 島原鉄道の河川改修に伴う橋梁整備について。 現在、長崎県では地域住民の安全・安心のために河川改修事業が進められておりますが、改修に当たっては橋梁等の架けかえ工事が必要になると聞いております。 その中で雲仙市の山田川をはじめ、島原鉄道沿線の河川では鉄道橋の架けかえ工事が計画されており、橋梁架けかえの際には鉄道事業者による建設負担金の発生や固定資産税の増などといった課題があると聞いております。鉄道事業は、地元の足として地域住民にとって大変重要な交通手段でありますが、特にローカル鉄道においては、厳しい経営状況の中、運営をされております。 そのような中、橋梁架けかえに伴う工事費の負担等は、さらに経営を圧迫することになるのではないかという懸念もあります。 そこで、今後、このような課題にどのような対応をしていくのか、まずお伺いいたします。 ○議長(宮内雪夫君) 土木部長。 ◎土木部長(村井禎美君) 島原地域の河川改修に伴います島原鉄道の橋梁整備についてのご質問でございますけれど、島原鉄道沿線の河川改修工事といたしまして、雲仙市の山田川をはじめ、諫早市の二反田川、島原市の湯江川、それと国が行います諫早市の半造川において、鉄道橋の架けかえの予定がございます。 この4河川の橋梁工事につきまして、建設費用の一部負担等への対応が課題となっているということは、議員ご指摘のとおりでございまして、これにつきまして統一的な解決方法を見出す必要があると考えているところでございます。 河川改修の事業推進のために橋梁整備が可能になるよう、鉄道事業者の費用負担等において島原鉄道並びに関係自治体と検討しているところでございまして、年度内をめどに対応方針を決定してまいりたいと考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) というのは、この山田川の改修、島原鉄道の鉄橋の下は現に用地交渉も済んで改修をされております。ところが、なかなか鉄道橋の改修がはじまらないものですから、地元の方から、いつこれが終わるのかと、昨年も6月の大雨でごみがかかって洪水になるおそれがあったという話がありまして、そういう中で島原鉄道の橋の問題が出てきたわけです。 今、島原鉄道も大変厳しい経営状態であるということはご存じだと思います。特に、この鉄道部門は年間1億9,000万円の赤字でありますし、前に南線の廃線ということで、地元の者にとって鉄道がなくなるということについて大変危惧されております。 そういう中で、防災のために改修をやることは県の責務でありますから、そういった中で鉄道が一緒にセッティングされて改修をされるということになれば、島原鉄道の意思を確認する前に、これは当然一緒になるわけですよね。これがずっと今後の改修も続くとなれば非常に大きな負担金と固定資産税の増加というものがありますので、ここをちょっと考えていかなければ、今、北線だけは残っておりますけれども、次に北線の廃線ということになれば大変なことになりますので、そういったところも考慮していただいて、県、そして関係市、そしてまた島原鉄道とのしっかりした連携を図っていただきたいと思っております。 ただ、先ほども協議をして年内にはということでありましたけれども、今、実務者会議の中ではどういった対策案が出ているのか、示していただけませんでしょうか。 ○議長(宮内雪夫君) 土木部長。 ◎土木部長(村井禎美君) 先ほど、議員のご質問の中にございましたように、河川改修に伴います橋梁の架けかえにつきましては、島原鉄道に発生する費用負担として2点ございまして、一つは、いわゆる建設工事に対して今までの減耗分が新しい橋になることの部分の費用、それと固定資産税の部分、この2つがございます。 建設費用の負担軽減につきましては、公共補償基準の要綱の特例というのがございます。その中で決算が継続的に赤字状況等にある時にこういった特例が適用できるというような状況もございますので、そういったものを検討していくということでございます。 もう一方の固定資産税の方につきましては、その評価額についてこれから検討していくということになろうかと思います。 以上でございます。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) 河川改修に伴うことでありますから、河川改修、防災、そしてまた、県民の安心・安全のためですから、一刻も早くそこのところをクリアをしていただいて、そしてまた、今後もこのこのはずっと続きますから、しっかりとした対策を打っていただいて、今後、この改修、そしてまた、河川改修、鉄道橋の改修になる時はスムーズな事業推進ができるような対策を打っていただきたいと思います。 そしてまた、10年後に新幹線が開通した時の島原鉄道の諌早からの乗降客対策、そしてまた、島原半島ジオパークへの期待もあるところであります。そういった負担が大きくなって、また鉄道の廃線ということになれば島原半島にとっても大変大きなマイナスになりますから、その辺のこともしっかりと受け止めていただきたいと思っております。 (2) 有明海航路燃油対策について。 ご存じのように、有明海には多比良-長洲、島原-熊本、熊本-島原、口之津-鬼池の4航路が就航しております。これらの航路は、島原半島地域の住民にとって熊本との人や物の流動を支える大切な輸送機関であり、島原半島地域の住民生活、観光、ビジネスにとってなくてはならない航路でありますが、昨今の燃油の高騰によって大変厳しい経営を強いられております。 特に、燃油というものは、今の経済の中でいつ上がるのかという計算ができない状況であります。 そういう中で有明フェリーにお聞きしたところ、経費の中の2割が燃料費なんです。10円上がれば2,700万円の燃油の経費が上がるということで経営を大変圧迫されております。 これは自助努力だけではなかなか難しい経営状況でありますので、そういったことで航路へどういった助成、また、対策がとれるものか、まずお聞きしたいと思っております。 ○議長(宮内雪夫君) 企画振興部長。 ◎企画振興部長(永川重幸君) 有明海のフェリー航路のうち、本県と熊本県の共同で設置しております有明フェリーの燃油価格は、年間平均で平成13年度で見ますと、1リットル当たり31円でございましたが、平成23年度は73円ということになっております。 また、この1年間だけで比較しましても、昨年4月の71円から本年4月には77円に上がっておるという状況でございます。 先ほど議員からお話がございましたように、10円で2,700万円というような大きなコスト増になるというようなことでございまして、運航コストに大きな影響を生じることになります。 離島補助航路の場合ですと、運航費補助制度がございますので、その中で燃油費の高騰分も補てんされておりますが、有明海航路には運航費補助の制度はございません。 このような状況は、実は離島のジェットフォイル航路、あるいは地方鉄道なども同様でございまして、こういったものにつきましても国に対して燃油費高騰に対する新たな支援策の創設を求めてまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) 離島と内航は違う面がありますので。そういう中で、私は、例えば岸壁使用料の減免とか、あるいは運賃割引補助等ができないものかと思うんですけれど、その辺はどうなんでしょうか。 ○議長(宮内雪夫君) 土木部長。 ◎土木部長(村井禎美君) 岸壁使用料と港湾使用料の減免についてのご質問でございますけれど、港湾施設の使用料につきましては、これまでも定期航路の係船料を一般船舶の半額とするような措置を行ってきているところでございます。港湾施設使用料は県の貴重な自主財源ということでございますので、港湾の使用料が不足しますと港湾施設の健全な状態を維持する上で支障となるということで減免をすることは困難な状況でございます。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) それは施設はそうかもしれませんけど、航路がなくなれば私たちは大変なんですよ。そこはずっと減免じゃないんですから、そこはしっかりとした、タイムリー的に、原油が異常に上がり過ぎたとか、そういう状況の中では、やはりそういった対策もとっていただきたいと、そう思うわけなんですけれど、部長、さっきの答弁はちょっと私は納得できませんね。(発言する者あり)港湾施設は、それはほかの予算をもってでもできるじゃないですか。(発言する者あり)ちょっとね、その答弁はちょっと問題ですよ。(発言する者あり) ○議長(宮内雪夫君) 土木部長。 ◎土木部長(村井禎美君) 航路の関係につきましては、港湾施設の使用料だけでなく、総合的ないろんな観点からの検討が必要ではないかと考えているところてございます。 ○議長(宮内雪夫君) 徳永議員-26番。 ◆26番(徳永達也君) だから、それはわかっているんですよ。(発言する者あり)そんな大きな予算ではないんですから、有明海航路というものの必要性、2万5,000人の人が対岸に通勤している、そういった足、このフェリーはそういう手段でありますから、その辺、しっかりと考えてください。 以上で終わります。(発言する者あり) ○議長(宮内雪夫君) これより、しばらく休憩いたします。 会議は、3時50分から再開いたします。     -午後3時43分 休憩----------------------     -午後3時51分 再開- ○議長(宮内雪夫君) 会議を再開いたします。 引き続き、一般質問を行います。 橋村議員-30番。(発言する者あり) ◆30番(橋村松太郎君) (拍手)〔登壇〕無所属愛郷の会の橋村松太郎でございます。 先ごろご逝去なされました寛仁親王殿下のご冥福をお祈りしつつ、本日最後の質問をさせていただきます。 以下通告に沿って、質問とともに幾つかの提案を述べさせていただきます。 1、知事の政治姿勢について。 (1) 知事就任後2年経過した現在の想いについて。 敬愛してやまない中村知事が、(発言する者あり)知事に就任されてから2年が経過いたしました。最近、知事は、「任期の折り返し」という言葉をよく使われているようでありますけれど、この「折り返し」という言葉を私は素直に受け止めることができないのであります。 確かに知事の任期は1期4年ではありますが、中村知事は、この1期だけで県政のかじ取りを終えられるつもりなのでしょうか。(発言する者あり)県政の持続的な発展のためには、中長期にわたる継続した政策や事業の実施が必要不可欠であると思います。 私は、知事が県政の諸課題について、いつも全力で立ち向かっておられることに対し、高く評価をし、大いに期待をしている一人であります。 知事は、今後もさまざまな目標を定め、諸政策に取り組んでいかれることと思います。 私は、政策には、長期的な展望のもとに行うものと短期的な実現を目指して行うものとがあり、両方のバランスを取りながら進めていくことが大切であると考えております。 長期の将来ビジョンの中で短期の政策を積み重ねていき、その結果、長期の政策の達成にもつながっていくものと思います。したがって、知事が県政のさらなる発展のため、現在を1期4年の折り返しととらえるのではなく、長期的展望のもと、ベストを尽くして政策を進めている途上の通過地点であるとの意識こそ政治家としての姿勢であり、使命ではないかと思う次第であります。 知事は、長い間、県職員として行政マンの立場で県政に携わってこられました。その後、副知事になられ、そして政治家である知事に就任されました。今、知事は、県職員時代と大きな違いを痛感されながら職務に当たっておられることと思いますが、その違いをどのように感じておられるのか、率直な感想をお伺いいたします。 また、知事就任後、全力で取り組んでこられたこの1年間をどのような思いで過ごしてこられたのか、あわせてお伺いいたします。 (2) 県議会議員、国会議員、市長・町長等と広く意見交換の場を持つことの重要性について。 私は、この1年間、知事の言動を注視してきましたが、知事は職員の話にもよく耳を傾けながら、時には夜遅くまで県庁内で職員との議論を重ね、さまざまな政策課題に取り組んでおられます。真摯な取り組みには誠に敬意を表する次第であります。 県政を進めていくに当たっては、多くの県民、多くの立場を異にする人たちとの意見交換を重ねながら、先見性を持って政策判断を行っていくことが肝要であることは申し上げるまでもありません。 政治家である知事は、行政マンである県職員とは、当然ながら異なる役割を担っておられます。現場のニーズを的確に把握して、行政資源の効果的な配分と集中を行い、行政マンの能力をいかんなく発揮させながら、政策を着実に実現していくことが求められております。 特に、私は、地域のニーズの把握が最も大切であり、そのためには広く県民の皆さんとの意見交換が必要不可欠であると考えております。 また、形式にこだわらない意見交換の場は、県政を推進する上で、時として多くのヒントや情報を得る絶好の機会となることが多く、ぜひ多くの県民の皆さんと意見交換を頻繁に実施していただきたいと思います。 知事は、県議会議員をはじめ、県選出国会議員や県内の市長、町長など、広く県民と胸襟を開いた、ざっくばらんな意見交換や、膝を交えて杯を交わしながらの意見交換の場の必要性とその実施について、どのような見解をお持ちであるのか、お伺いいたします。 (3) 本県の資源を効果的に活用した政策や事業の実施について。 経済や産業の発展のみを最上の目的とすることについて、私は疑問の念を持っているところであります。昨年策定された県の総合計画には、基本理念として「人が輝く、産業が輝く、地域が輝く」を掲げられておりますが、私は必ずしもすべてのものが輝く必要はないのではないかと思います。これはパラドックスでもあります。いぶし銀のようなずっしりとした、そして素朴なよさ、天然のよさというのもあるのではないでしょうか。 戦後の我が国は、都市へ都市へと職を求めて多くの人が移動しました。しかしながら、近年の社会環境の急激な変化によって、都市での居住の必要性が薄れてきているのではないかと私は感じております。これからは、ふるさと回帰ともいうべき帰巣本能が人々の心の中に高まり、自然を追い求めるような流れが期待できるのではないかと思っおります。 私は、人や伝統、自然を残すことを、以前から「村おこしは村のこし」と申し上げてきたところであります。これからは自然の恵みをどう地域で活かしていくかが問われてくるものと思います。 21世紀の地域における主な行政課題は、福祉と教育、環境の3つの分野であると考えております。これまでもそう主張してまいりました。同時に、今日の繁栄は、余りにも多くの自然環境の喪失という対象の上に成り立っていることを認識し、自然に対してもっと謙虚に、畏怖、畏敬の念を持つべきであると思います。 昨年の福島第一原子力発電所の事故を顧みる時、人間の能力の限界を超えた自然界にないものを乱造してきたことや、自然を破壊する乱開発に対して真摯に反省を行い、これからは自然との共存共栄を図っていくべきであると考えます。 先ごろ、世界遺産にも登録されているラオスのルアンパバーンという都市を訪問しましたが、そこではまさに自然が手つかずのまま残されており、そこに暮らす人々も素朴で、物質欲にとらわれず、自然の恵みを享受しながら、日々ゆったりと生活されておられます。ナチュラルというか、天然そのものを目の当たりにしてきました。 そのラオスでは、自殺や犯罪はほとんどなく、ヨーロッパでは行ってみたい国のトップに挙げられているそうです。 経済や産業の発展は必要ではありますが、一方で、ラオスを訪れてみて、経済市場主義を追求している私たちは大いに反省すべきこともあると感じた次第であります。 本県に目を向けると、知事は経済指標である県民所得の順位について、下位からの脱却を目指し、分析を進めてこられ、統計のあり方がおかしいのではないかという発言もされておられますが、今日もそうでした、ラオスを訪れてみて、そのようなデータにあまりとらわれすぎる必要はないのではないかと思ったところであります。 県民所得よりも、むしろ長期展望に立って、本県の地域特性を活かした具体的な地域づくりについてもっと考えるべきであり、それらの取組を着実に進め、成果を一つひとつ積み重ねていくことこそが重要であると考えております。 去る5月31日に、県では、部局等の重点目標を公表しておられますが、その内容を見ると、全国どこの地域でも取り組んでいるような、金太郎あめのような内容が多く散見されました。もっと本県の独自性を発揮した目標に取り組むべきではないでしょうか。 本県には、都会にはない海や離島などの天然の地域資源がたくさんあります。見方を変えれば長所となり得るような、天から与えられた自然の恵みがあるのです。都市的なきらびやかさはないものの、人をいやす自然があります。このような一見デメリットと思えるものを、メリットとして活用する逆転の発想による地域づくりを強く進めてはいかがでしょうか。 なお、この提案は、現在、県事業として「しまは日本の宝」戦略の取組や、「長崎田舎暮らし総合プロモーション事業」が行われていることを承知した上で、私は申し上げているのであります。 さて、先般、定年を迎えた多くの日本人が、物価が安く、都会の喧噪もしがらみもない、ゆったりとした時間を過ごせるニュージーランドやタイなどに移住して余生を過ごされているという話を聞きました。外国まで行かなくても、もっと近くに自然があふれ、ストレスをやわらげる心豊かな空間が、この長崎には数多く存在しているのです。特に、本県の最大の財産とでも言うべき自然の宝庫である離島を、全国にアピールしてはいかがでしょうか。 以上、いろいろと述べてきましたが、自然やふるさとを残し、真に心豊かな生活を享受できる空間を確保していくことを忘れてはならないと思います。要は、このような豊かな自然を持つ長崎県の特色を活かしながら、将来帰ってきたい、訪れてみたい、住んでみたいと思わせるような長崎をつくっていくという考え方もあるのではないかと思いますが、知事の見解をお伺いいたします。 2、市町村合併後の市町の振興について(県と市町とのパートナーシップの確立)。 市町村合併が行われる以前には、一定の地域間競争が存在し、小さいながらも、それぞれの地域が切磋琢磨して成り立っていたと思います。しかしながら、合併後の状況を見ると、市町の中心部地域は別として、周辺部となった地域の疲弊が著しく、人口の流出や減少が大きな問題としてあらわれてきております。このまま手をこまねいて周辺部地域への対策を怠るのであれば、人口の流出は加速化し、取り返しのつかない事態になることは明らかであります。早急に地域に応じた効果的な手だてを打つことが求められております。 この喫緊の課題の対応については、私は市町村合併の旗振りを行ってきた県の責務であると思っております。合併を推進した県は、合併市町との適切な役割分担のもと、広域的な観点や大所高所から、今後の合併市町の政策展開における旗振り役を担うべきであると考えます。 県は、今年度の新規事業として、地域コミュニティの再生を目的とする地域の元気づくり応援事業を行うこととしておりますが、そのような取組こそ合併特例債のソフト事業として政策誘導をすべきではないかと思うところであります。 一方、合併市町の行財政業務に対する県のかかわり方や、果たす役割については、合併前と後では、行政の仕組みそのものは変わってきているところがあることも念頭に行う必要があると思います。つまり合併の規模だけではなく、合併の形態においても、例えば、南島原市や雲仙市などのように複数の町が対等に合併したケースと、長崎市や佐世保市など周辺部の町を取り込んだケースでは、おのずと合併後の市町のあり方にも相違があります。 県は、それらの相違点を踏まえつつ、市町の旗振り役として適切に対応しなければならないと思います。 いずれにせよ、私は、合併市町の今後の旗振り役として、各市町に応じた県のパートナーシップの取組を早急に進める必要があると考えますが、見解をお伺いいたします。 3、九州広域行政機構(仮称)について。 最近、道州制をはじめ、広域行政や自治体のあり方が話題となっております。本県の市町村合併後の状況が、中心部地域への一極集中を生み出している状況を見る時、近畿圏などの都市圏とは異なり、九州では福岡への一極集中がますます進むのではないかという危惧を持っております。 国の出先機関の地方への移譲については、最近、新聞等でもさまざまな報道がなされているようですが、「九州広域行政機構(仮称)」において、受け入れ機関の管理者が特定の知事となれば、九州全体にかかわる事業について、果たして中立性、公平性を保ちながら、現在国が担っている調整を行うことができるのか、非常に疑問を感じるところです。結局は、組織の看板の付け替えや、屋上屋を架すことになることが大変心配されるところであります。また、出先機関の移譲を受けない地方では、国が引き続き事業を行うことや、移譲を受けたとしても、財源確保の面で不利な取り扱いを受けることの不安もあります。 これらのことから、私は、本機構の設置について、地方の疲弊に拍車をかけることへの懸念が払拭できず、現段階での設置は拙速であり、今後十分に議論を尽くして判断しなければならないと思いますが、知事の見解をお伺いいたします。 4、地方の財源を保障し、調整するための地方交付税制度等の充実について。 かつて三位一体の改革が行われるに当たり、国から地方への税源移譲について多くの議論が交わされました。その中で、私は、長崎のような企業や事業所が少ない県においては、仮に税源の移譲があっても、課税客体として何を求めることができて、どれぐらい安定した財源確保が図られるのか、大変疑問に思っておりました。現在も同様の考えであります。 一方、地方交付税制度の機能はご存じのとおり、自治体がサービスを行う財源を保障する財源保障機能に加え、それを通じて自治体間の財政力格差を調整する財政調整機能の2つがあります。自治体にとっては、地方交付税は地方税を補完する一般財源であり、地方税と並んで重要な歳入であります。なお、都道府県の財政力指数において、平均値未満が、本県を含め約6割にもなっております。したがって、東京都や愛知県など財政力指数が高い自主財源比率の高い自治体とは違って、税収に乏しく、財政基盤が弱い本県では、税源移譲よりも地方交付税制度の堅持、充実を訴えていくこと以外考えられないのではないでしょうか。 きれいごとばかり言っても自治体経営は成り立っていきません。地方交付税制度の堅持、充実や、消費税の地方配分等を通じて、本県の財源確保を確実に図ることが現実的な対応であり、都市部の税源移譲の声に押されないよう地方の立場をきちんと訴えるべきであると思いますが、知事はどのように考えておられるのか、お伺いいたします。 以上、壇上での質問を終わります。 あとは対面演壇席から質問をさせていただきます。 ご清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 〔登壇〕橋村議員のご質問にお答えをいたします。 まず、職員時代と比べて、知事の違いはどんなふうに感じているのかとのお尋ねでございます。 私は、県の職員時代、組織の一員として行政を推進してまいりました。特定分野の職務を担い、上司を通じて情報を得て、限られた領域で、例えば農林部長のころには農林業の振興に専念することが私に課せられた仕事でありました。 知事に就任をいたしまして、それまでは上司、あるいは組織を通して県民の皆様方の声をいただいてきたところでありますけれども、知事に就任をいたしますと、そうしたフィルターを通すことなく、直接県民の皆様方の思いを感じるところでありまして、まさに肌を突き刺すような、そういうふうに感じられるところであります。 そしてまた、そうした思いに触れるたびに、県民の皆様方のそうした思いは何としても具現化していかなければならないという、そうした強い思いに駆られているところでございます。 そうした意味では、職員の皆様方にもぜひそういった思いを感じ、共有してもらいたいと考えております。県民の皆様方のそうした思いに迅速に対応していただきたい、そんな気持ちを強くいたしております。 また、私の反省でもありますけれども、私が部長を務めておりました頃には、むしろ知事の方が現場に行かれる回数が多かったように考えております。そういう意味では、職員の皆さん方は、もっとルーチンワークを軽減して、直接県民の皆様方の中に入り、そういった思いを共有化し、そして、自らの課題として取り組んでいただけるような時間を、あるいは機会をつくってもらいたいと強く考えているところであります。 そして、できれば県の職員は、大所高所から戦略を練って、まさにそうした一つひとつの課題を解決するための具体策を練り上げる創造的な仕事に力を注いでもらいたいと思っております。 私のこれまでの経験の中で、知事と職員の一番の違いというのは、まさにさまざまな課題を抱えておりますけれども、そうした一つひとつの仕事について、職員と一緒に悩み、最後にしっかりと決断しなければいけない、それが政治家としての責務であろうかと考えているところであります。 今後とも、県民の皆様方には、それぞれの地域に生きがいを持って暮らしていただけるように全力で取り組んでいかなければいけないと思っているところであります。 それから、県民の皆様方を含めて、形式にこだわらない意見交換の場を日常的に設けるべきではないかというご提案をちょうだいいたしました。 まさに、先ほど申し上げたように、私の仕事のスタートは、県民の皆様方の思いを自らの思いとして、それを県の政策に活かすことであると思っております。公式な場では、さまざまな機会を設けているところでありますけれども、これまで以上に県民の皆様方、あるいは県議会議員の皆様、国会議員の皆様方、市町の皆様方とそうした機会を積極的につくってまいりたいと考えているところであります。 それから、これからの取り組む方向性として、経済産業至上主義じゃなくて、例えば豊かな自然など、本県の特性を活かした地域づくりにもっと力を注ぐべきではないかというご提案でございました。 確かに県の行政の目的といいますのは、県民生活の質の向上を目指すということにあるのではなかろうかと考えております。 そうした中で、豊かな自然に囲まれて、いやしを感じ、地域とのふれあいの中で生きがいを持って過ごしていただけるような地域社会をつくる、そしてまた、外の方々にとっては非常に魅力のある地域づくりを実現していくということは非常に大切なことであろうと考えております。そうした思いで、これまでもさまざまな地域づくり、そしてまた、その支援策に力を注いできたところであります。 しかしながら、現状をかんがみます時に、先ほどからご議論をいただいてまいりましたように、まさに離島地域などにおいては人口流出に歯止めがかからない。そういった地域づくりをする前に、まさに限界集落が目の前に散見されつつあるというような状況でありまして、そういった意味では、何としても地域に県民の皆様方に住んでいただけるような環境をつくらないといけない。そのためには働く場を創出していく必要がある。そして、それの最短のコースは、産業の活性化を図り、それを地域に根ざしたものにしていくことではなかろうかと考えているところであります。 確かに、県民所得のみを行政の目標とすることには、私自身違和感も感じておりますが、生活の観点から考える場合に大変重要な指標の一つであろうと考えておりまして、いま一度こうした長年にわたる課題についても正面に向き合いながら、解決策に向けて取り組んでまいらなければならないと考えているところであります。 それから、市町村合併後のパートナーシップのあり方についてのご提言をいただきました。 合併市町の振興を図る上では、まずは住民に身近な基礎自治体である各市町が、それぞれの地域のニーズ、課題を踏まえて、その持てる能力をいかんなく発揮していただくということが基本的な姿勢であろうと考えております。 しかしながら、この市町においては、その規模、これまでの経緯等考えた場合に、大きな格差、異なる点があるものと考えております。 例えば、合併を進められた地域にあっても、吸収合併された市の皆さんと、対等合併をされたところでは、その課題等異なるものがあるものと考えております。そういう現状を十分に踏まえながら、県として、それぞれの市町に応じた支援策、そして協働体制をつくっていかなければならないと考えているところであります。 そういう意味では新市町の体制整備を進めるために、例えば、県の職員を派遣したり、あるいはさまざまな政策課題について協働して取り組んできたというようなこともございますけれども、これからもなお、そうした連携体制を強化しながら、それぞれの市町のニーズに応じた県としてのかかわり方、パートナーシップのあり方について検討をしてまいりたいと考えているところであります。 それから、九州広域行政機構についてのお尋ねでございます。 国の出先機関の原則廃止につきましては、平成22年6月に閣議決定された「地域主権戦略大綱」において、地域主権改革の柱の一つとして明記をされまして、国や地方での検討が本格的にはじまってまいりました。 そして、今月8日のことでありましたけれども、これまでの国と地方との協議等を踏まえ、国の出先機関の事務等の移譲に関する法律案が内閣府から示されたところでございます。 この法律案では、移譲される事務等の受け皿として、既存の広域連合制度を活用することが示されたところであり、構成団体の意見を聴く場として、各県知事等で構成される委員会を置くことなどがその内容に盛り込まれたところであります。 この国の出先機関の原則廃止という問題につきましては、「住民に身近な行政は、できる限り住民に身近な地方自治体が行う」とする地方分権の考え方に基づき進められているものと考えておりまして、私としてもこの方向性に反対するものではございません。 しかしながら、九州各県には、ご指摘のとおり、さまざまな利害調整を要する案件があります。そうした中、どういった方向でこの機関としての意思決定を行うのか、これは大変重要な課題であり、仕組みづくりについて、今後、具体的な検討を進め、議論を深めていく必要があるものと考えているところであります。 また、こうした広域機構の設立が屋上屋にならないのかとのご指摘でありますけれども、この九州地方知事会では、国の地方機関は丸ごとこれを受け入れをしようと、一部地方機関の機能が残されるというようなことがあってはならない。そうすることによって、まさに屋上屋になってくる可能性もあるのではないかという議論のもとに整理がなされてきておりまして、基本的には丸ごと国の地方機関を受け入れるわけでありますので、国の地方機関が機構に置き換わるということになってくると考えております。したがって、統治機構そのものが一層複雑になるというようなことがあってはならないと思っているところであります。 一方、また、こうした具体的な移譲事務の実施に必要な財源の確保が非常に大きな問題となっておりますけれども、さきの法律案では、「必要な財政上の措置を講ずる」との基本理念が示されたところにとどまっておりまして、今後もそういった意味では国に対して、具体的な仕組み、財源保障のあり方を明らかにしていただく必要があるものと考えているところであります。 このように九州広域行政機構の実現に向けては意思決定のあり方や財源確保といった重要な検討課題が残されていると認識しておりまして、これまで以上に丁寧に検討を行い、慎重に進めていく必要があるものと考えているところであります。 しかしながら、この九州広域行政機構の設立は、地域の活性化や住民福祉の向上などを目的としており、今後とも県議会の皆様方をはじめ、市町や関係団体の皆様方と率直な意見交換を行いながら、具体的な議論を進めてまいりたいと考えているところでございます。 残余のご質問につきましては、担当部長の方からお答えをさせていただきます。 ○議長(宮内雪夫君) 総務部長。 ◎総務部長(池松誠二君) 地方交付税制度の充実についてのご提案でございましたので、財政担当部長の方からご答弁をさせていただきます。 議員ご指摘のとおり、本県は、歳入における県税の占める割合が13%程度にとどまるなど、自主財源に乏しい脆弱な財政構造にあります。 また、地理的にも日本の西端に位置し、多くの離島や半島を有するため、福祉や教育、県民の安全・安心の確保等、各種行政サービスを県内各地で適切に提供していく上で、コストが他県よりも割高になるという事情があるほか、高齢者の占める割合が高いという状況にございます。 このため、来週、県議会の皆様とともに実施いたします政府施策要望におきましても、国に対して、議員ご指摘のとおり、地方交付税による財源調整機能や財源保障機能が十分発揮されるよう、その機能強化を強く求めていくこととしております。 ちなみに、今年度の地方財政計画における地方交付税につきましては、国の中期財政フレームに沿って、前年度の水準を下回らないように総額は確保されておりますが、社会保障費の増額分を他の経費の圧縮で吸収する傾向というのが続いておりまして、依然として地方にとっては厳しい状況にあるというふうに考えております。 今後も引き続き九州知事会との連携も図りながら、地方交付税の基準財政需要額への本県の特殊性の反映、それから、必要額の確保をはじめとする地方財源の充実・強化を強く訴えてまいりたいというふうに考えております。 ○議長(宮内雪夫君) 橋村議員-30番。 ◆30番(橋村松太郎君) 先ほどから知事の丁寧な、また誠実な答弁をいただきましてありがとうございました。 なんでこういう質問をしたのかと、知事は一生懸命に県政に取り組もうとひたすらやっておられることは重々承知をしておりますけれど、本当に知事のその気持ちが職員全部に行き渡っておるのかどうなのかという心配をしております。それで、知事と部長との違い、明らかに執行権の長である知事は行政府の長である。だから、すべての判断は知事がしなければならない。今までの補助機関としての副知事、あるいは部長というのは、決裁権、最終決定は知事がしておった。しかし、最後の責任を負わなければならないという行政府の長である知事とは、全く性格、責任を異にすると思っております。そこを重々痛感しておられるということはよくわかりました。 ただ、しかし、その知事の思いとその責任の重さを十分副知事、部長以下にも徹底させなければならない。先般からの質問の中で、幸いによそから来られた、出向して来られた知事、あるいは国会議員、政治家を経てなられた知事とは違う。だから、職員の中では身内意識もあります。ただ、しかし、身内だからといってすべてが理解しておるのか、わかっておるのかはまた別の問題なんです。(発言する者あり) 私は、いろんな形でいろんな方々と接触をしてきました、知事とも、副知事とも、会計管理者とも、あるいは幹部の部長たちとも、そういう中で、部下は、すべて上司を知っておるのか、顔を知っておるのか。そうではないんですよ。知事の顔は知っておったとしても、副知事以下、当時であれば出納長、あるいは自分と接触をしたことがない部長の顔、名前すら知らないんですよ。だから、知事の場合には、非常に恵まれた環境にあるけれども、そういう中にあって、本当にその人材を活用できるかどうかということが一番の課題なんです。だから、あえて酒を飲む機会というのも申し上げました。 知事は、長崎県の末端に至るまでの情報をキャッチして、そして行政に取り組んでいかなければならない。そのための一番の情報源は、自分一人でどれだけ回っても一人分なんですよ。だから、一番幸いなのは、県議会議員をうまく活用することなんですよ。あるいは、市町村長もそうなんです。歴代の知事はそうやってきたんですよ。飲み交わしもしましたよ。あなたも部長の時までは飲み交わしもしていたけれど、最近はそういう機会が非常に少ない方なんです。(笑声)だから、せっかくのあなたの持ち味が十分に徹底していない。(発言する者あり)農林部とか、総務部におった諸君は、あなたのざっくばらんな人柄、また勉強熱心な人柄というのもわかる。だから、あなたをサポートしていこう、ついて行こうという気持ちはある。しかし、それだけじゃ不足なんですよ。末端に至るまで、先ほど、質問にありました4,500名、そしてまた、県警3,500名、教職員が1万2,000名とかという話もありました。だから、そういう人たちにどうやってあなたの考え方、意思を伝えていくかということが一番求められているんです。 今、あなたは勉強する必要はないんですよ。これだけのスタッフ、メンバーがおるんだから、遊んで回ればいいんですよ。(発言する者あり・笑声)あとは副知事たちに任せればいいんですよ。(発言する者あり)これからあなたは、だからこそ、私は折り返しじゃないんだと。少なくとも8年、12年せにゃいかんという思いで取り組まないと、任されるもんですか。だから、急ぐ必要はない。 あるいはもう一つ、私があえて言うたのは、経済至上主義をと、パラドックスとも言いましたよ。それは当面はそうなんですよ。私が町長していた時も、企業誘致をせにゃならんと。しかし、企業誘致とは何なのかと。じゃ、税収と固定資産税と雇用機会の確保じゃないかと。それは失業等はわかる。しかし、のどが乾いている時こそ飲み水を吟味せにゃならんじゃないか。企業を選択しなきゃならんじゃないか、継続性があるのか、健全な企業なのかと。 しかし、片一方では私は、今は若い者が、これから森山を離れて行ったとしても、忘れ得がたいふるさとであってほしいし、第一線を終えた時にはきっと帰ってきたくなるふるさと、忘れ得がたいふるさと、そんな長崎県であるならば、そんな帰ってきたくなるようなふるさとをつくっておれば、30~40年出稼ぎに行ってもいいじゃないか。 だから、私が申し上げたいのは、あまりにも目先だけのことでやると、ずうっと同じことを追っていくだけに終わってしまうということの心配があったから、あえて逆説的に申し上げたんですよ。(拍手) だから、経済的な雇用の確保、失業率を落としていく、あるいは若い者が定住できるような、そういう地域社会をつくらなければならないことは必須要件であることは百も承知。されど、もう一つの観点としては、長期ビジョンの中で焦らずに、やがて20年、30年先に、第一線を終えた時にきっと帰ってきたくなる、きっと帰れる地域づくりをやっておくべきではないのかということを申し上げたかったんです。 私は、先般、ラオスに行って、本当に我々は物質に恵まれたがゆえに、物質不幸にされておる。物を知らなければ満足ができておった。そういう反省もしていかなければならないと思っております。 だから、県政に当たる時に、目先だけにこだわらずに、大局的にどっしり構えて、大らかに、将来のためにと。政治というのは、先見性をもって将来に備えることですよ。むろん、現在の課題を解決する、それも当面の課題であるけれど、もう一つは、長期ビジョンに立って、これからの将来を背負う若い人たちに夢と希望が抱けるようなふるさとをつくっておくことなんですよ。 わずかの期間、地元に就職しなくても帰ってこられるような、そういう地域を目指せばいいではないですか、ということを申し上げたかったんです。 それと、あなたしかいないんですよ、今。最後の責任者はあなたなんですよ。だから、職員に思い切り仕事をしろと、責任はおれが全部負うと、それぐらいの覚悟で。 そして、おれが全部回ってしまうよ、県を回っていく、行脚して行くよ、そして、一人ひとりの意見も聞いて回るよと。部課長は連れて行かんよ、一人で回るよと。そして、酒を交わしながら、一杯飲みながら、「ああ、気さくな知事、俺は初めて言うけれど、こういう思いがあったんだ。息子は就職し、都会に出ておるけれど」とか、いろんな話が聞こえてくるんですよ。だから、幾ら遅くまでこうこうと明かりをつけて知事室で議論をするよりも、銅座に一緒に飲みに行きましょうよ。(笑声・発言する者あり)それぐらいの感覚を持って、もっと肩ひじ張らずに、力を抜いて、ぜひ取り組んでほしい。そして、あなたの持ち前の力量を、そして人柄を十分理解させてほしいと思っております。くどくなりました。 また、先ほど合併のこともありました。合併というのは県が進めてきました。本当に私は、このことはあんまり触れたくなかったんですよ、(発言する者あり)合併をしたら、元に戻れなくないから。私だけでしたよ、反対してずうっときたのは。火を見るより明らかじゃないかと。 先ほども話がありましたね、合併の効果というのはどういうことにありましたかと。それは政府が言った言葉なんですよ。行政の効率化とか、あるいは特定の専門業種がこうやっておれると。そういうきれいごとじゃない。現実が疲弊してしまったと。あるいは離島においては、これぐらい健全な役場という職場が全部なくなったじゃありませんか。なんで若者が定住できますか。 だから、こういう場で言いたくなかったけれど、そういう反省を肝に銘じて、そして今後の行政に立ち向かわなければ、いや、こういうことでよかった、こういうことでよかったと、まやかしをしちゃいかん。県民をだましちゃいかん。謙虚に現実をとらえなければならない。そして、どうやっていけば、それを回復、克服できていくのかということが必要だと思っているんです。 私が、去年、こうやって復帰した時に、市町村合併の話をしたら、「いや、結果はよかった」と。そう言わざるを得ない立場もわかる。知事も対馬におって、とんだことになったという反省は十分踏まえておられるとは思います。ただ、オフィシャルの場で、今あの立場で、そして今回こうだとは言えない。だから、聞きもしない。しかし、どうやって国境離島をこれから守っていくのか、それが県としての、合併を進めた当事者としての責務であるということをもう一度肝に銘じ、職員一体となって対策を講じ、また取り組んでいただきたいと思うわけです。(発言する者あり) それと、同じやり方にしてでも、先ほど対等合併のところと、そして吸収合併のところと、建前上は5万人の市になったら、小さな町村が合併したとしてでも、先ほど部長が言いました、その合併算定替えの場合と一本算定になった場合には20%ぐらいと。これは平均値なんですよね、18%前後というのは。平成22年度と平成23年度は違っているんだよ。 それにしてでも、もう小さな南島原市とか、雲仙市とか、あるいは上五島町とか、ああいうところは30%ぐらい減少するんですよね、合併。だから、そういうところでの財政の手だてをどうしていくのかということを図っていかなければならない。政府には働きかけていかなければならない。いや、規模が5万人になったからと、そうではない。5万人の都市と合併して5万人になったところのロケーションは違う。それは何だと。小さな町でしか存在し得なかったのを、強引に一つの市という単位にまとめあげただけ。しかし、ここは小さな町の集まりなんですよ。小さな町だからゆえに、行政経費がかさむからということで段階補正がされてきたわけです。だから、これが全くなくなるんですよ。(発言する者あり)だから、そういう合併の弊害ということを訴えていかなきゃならんと思っております。(発言する者あり)それについて、もう少し言わせて。(発言する者あり・笑声) あるいは、合併特例債の使い方についても、町独自ではその使い方も、あるいは使った後の財政運用に対する懸念もあって、そういうところにこそ県が手厚く指導、一体となってやっていくべきだと思っております。 まずは、とりあえずここのところまで知事、答弁してください。(発言する者あり・笑声) ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 大変貴重なお話をいただきまして、お礼を申し上げます。 県政もさまざまな課題を職員と一緒に抱えて走っているわけでありますけれども、やはり指揮官としての立場を十分わきまえ、これからも全力で取り組んでまいりたいと考えております。 そして、今、合併のお話がありましたけれども、合併の件につきましては、先ほどもお答えをさせていただきましたけれども、前回の平成の合併の際には、小規模の自治体ほど手厚い措置が講じられていた。そういった措置が全部なくなってしまうという話のもと、合併を積極的に推進してきた経過があるわけであります。それはやはり地方の財政負担をできるだけ少なくし、効率的な行政運営を目指すというニーズに基づいたお話であったろうと思っているところでありますけれども、ただ、現実を見ますと、決してそういう形で動いてきただけではない。合併してしまったところが、むしろ段階補正等がなくて苦戦を強いられるということになっているわけでありまして、そういうことがあっては全くの当初の約束が違うと思っているわけであります。 また、一連の合併を余儀なくされた経過というのは、やっぱり地方総体の財源が不足する。国との財源調整の中で、毎年、毎年、地方財源を確保するために苦労をしている。こういった状況の中で進んできた経過もあるわけでありますので、やはりそこはしっかりと合併市町に対する財政支援のあり方というのは、もう一度これまでの経過を踏まえて、改めて考え直していただく必要はあるものと考えております。 できるだけ地方の実情を踏まえて、私どもも提案をしてまいりたいと思っております。 ○議長(宮内雪夫君) 橋村議員-30番。 ◆30番(橋村松太郎君) もう知事も正直に、合併の弊害をかなりのところはわかっておりながら、なかなか表に出せなかったということは承知しておりますが、今日は正直な話を承りました。 いや、そういう中にあって、今度はまた、要するに合併というのは国の財源を節約するために、地方の行政経費を減らすために、合理性のために一戸建てに住むな、集合住宅にみんな住めということだったんですよ。私はずっとそれを言ってきたんですよ。だから、国が財政の節約になっただけで、地方の地方自治というのは随分弱められていったという経緯なんですよ。 だから、今回、同じような轍を踏まないように、広域連合、あるいは広域行政機構とか、名前はどうでもいいんですよ。それも効率化のために、前にもいろんなことがありましたね、地方出先機関に全部権限は移譲するとか何とか。しかし、実態としてそれはできなかったじゃないですか。 また、そういうのに懲りて、今度は地方整備局とか、環境、あるいはその組織を広域行政機構という形に丸抱えでこうならばと知事たちは言っているけれど、丸抱えでと、それの権能は財源的には、財政的には、あるいはそれの運営管理者としては誰がなるのか。第三者をなすならば、今までの地方機関とどこがどう違うのかということなんですよ。 じゃ、広域連合という形で一部事務組合みたいにして、どこかの知事会の会長がなるべしとなれば、知事というのはおのずから自分の県の県民のために働くべきなんですよ、第一義的に。そうであるならば、当然ほかの県のためには公平性というのが保てない、担保ができないではないのかということを言っているんですよ。 だから、基本的に、まず国の財政を節約しようという思いから、あるいは省庁によっては権益を損なうから躊躇するところもあったかもしれない。政府が強引にこれをやっている。あるいは、今国会でどこまで審議されて、未了になるのかどうなのかだけれども。 しかし、知事会として、私はびっくりしたんですよ。4月何日かに九州地方知事会で、こういうことを進めるようにというような決議をしているじゃないですか、国に。とんでもない。これは行政のあり方として、一つ知事に忠告をしておきます。 あなただけの権限で、九州知事会でこういう九州広域行政機構を丸飲みで、丸抱え、何とかという言葉がありましたね、すべて、しかし、こういうことを、知事、あなたが判断するべきじゃない。それは少し議会をも無視したことになる。当然議会にも投げかけなけりゃならん、組織のあり方を変えることになるんだから。いや、それは議長会も議論しているでしょうと言われれば、それまでだけれど、議長会は議長会、執行権者が、全く組織のあり方そのものが変わってくる。だから、市町村が一部事務組合をつくる時にも、組合選出と首長とが出て、そして合議体の組合をつくって、そして、誰かを管理者にというような組織をつくるんだから、そういうことに当たっても、丁寧なる議会への説明を必要としますけれど、その点についてコメントをしておいてほしいと思います。 ○議長(宮内雪夫君) 知事。 ◎知事(中村法道君) 確かに、これまでの九州広域行政機構の検討の過程の中で、九州地方知事会が先導的に方向性を示して、国との協議に入ってきたのは事実であります。 なぜこういった経過になったかというと、いわゆる地方分権というのはこれからも積極的に進めていかないといけない。地方でできることは地方で責任を持って住民福祉の向上のために努力していかなければいけない。ところが、国の地方機関のこれまでの移譲の過程を考えます時に、ほとんど省庁の権益を守るために具体的な検討にまで進んでまいりませんでした。したがって、さきに政府の方が、国の地方機関は原則全部廃止するという方針が出されて、各省庁に投げられたところ、各省庁は少しも動きませんでした。 そういう中で国はどういう議論になったかというと、地方の受け皿がないという話になりました。そうであれば、じゃ、丸ごと受け皿をつくりましょうかと。じゃ、全部地方に権限を移していただけますかと。 ただ、そういう中で進んできた議論でありますが、今、抱えている課題に対する認識は議員と全く同じところでありまして、私は九州地方知事会の中でも、県議会、あるいは基礎自治体、こういった方々と十分議論をしないと、基礎自治体の方々は大きな不安を感じておられます。そしてまた、この間、県議会の皆様方にも、もっと十分な説明を差し上げて、ご議論をいただかないと、前に進めるように状況じゃないと思います。おっしゃるように、知事が兼務するような形で広域行政機構のトップを務めるわけでありますけれども、本当に二律背反した利害関係の中で、どう判断するのかというのは、これは本当に深刻に議論しなければいけない。そういった課題提議も、実は今、内部で行っているところでありまして、まだまだワーキングチームを含めて、徹底した議論と慎重な検討が必要であると。これは私自身、知事会議の中で申し上げてきた経過がございます。 ○議長(宮内雪夫君) 橋村議員-30番。 ◆30番(橋村松太郎君) もう一つ知事に申し上げておきます。 知事も私も同じような考えだということがわかりました。 「道州制」という言葉もありますね。私は、とんでもないと思っているんですよ。地方自治というのは住民自治でもあるし、団体自治でもある。例えば、地方自治体が大きくなっていけば、住民自治という観点からの住民の参加、何十万分の一、何百万分の一になってしまうんですよ、一人というのが。だから、本来の地方自治のあり方からすると、逆行なんですよ。 地方分権とは言うけれども、国の権限を地方に移しただけで、地方のスケールがどの程度なのかということなんです。地方自治の理想的なスケールはどの程度なのか。私に言わせれば、市町村の単位で1万人ということをずうっと唱えてきたんです。1万人ならば、ずうっと各個人にまで目が配られる。個人の声もダイレクトに聞こえてくる限度です。そして、ある程度の財政規模で行政運営ができていくというのが持論でしたよ。 その次の段階は、県であるならば、しかし、県もある程度の規模でなければ。仮に今、長崎県と佐賀県が合併したらどうなりますか。あるいは、そういうことへの方向を、危険な方向へ歩むということなんです。だから、これについては慎重に、そして、議会には丁寧な説明をお願いしておきたいと思います。この点については、説明は要りません。 あと総務部長、財政についてございました。もうあえてあなたに言うまでもないけれど、地方というのは、やはり交付税制度しかないんですよ。いろんな税財源を移譲するとか、それはね、財政力指数、自主財源比率の高いところ、東京都とか、愛知県とか、あるいは千葉県、神奈川県、こういうベスト5ぐらいに入るところだったらどんどん移譲してもらえば、留保財源以外はもっともっとなるんだから。だから、ああいうところしかメリットがない。それを知ったかぶりで、地方分権だとか、地域主権だという名のもとに、なんかそう言われれば地方を大事にしてもらったような錯覚に陥ってしまって、そういうことに相乗りをしよう。合併は避けて通れない、大きくなることはいいことだと言って今日を来したんだから、今後は財政に対して、特に交付税制度の堅持と税財源、酒税等32%、法人税は暫定税率で34%に今なっているかな。だから、税源をもっと上げるということを国に求めていくべきであるということを申し上げておきたい。もう一度総務部長。 ○議長(宮内雪夫君) 総務部長。 ◎総務部長(池松誠二君) 確かに地方によっては、先ほど申し上げたように税源の移譲にメリットがあるところ、そこまでメリットがないというのはございますので、先ほど申し上げたとおり、我々としても政府に対して地方交付税の堅持、強化については力強く訴えてまいりたいというように思っておりますので、ご支援のほどをよろしくお願い申し上げます。 ○議長(宮内雪夫君) 本日の会議は、これにて終了いたします。 明日は、定刻より本会議を開き、一般質問を続行いたします。 本日は、これをもって散会いたします。 ご苦労さまでした。     -午後4時53分 散会-...